入院保証も代行可能、終活サポート事業を実施する自治体たち

“おひとりさま”は、元気なうちは、自由気ままにシングルライフを満喫できるが、問題は年をとってからだ。万が一、病気で倒れて病院に入院したとき、「誰が身元保証人になってくれるのだろうか」「死んだ後は誰が手続きをしてくれるのか」――と、将来への不安は尽きない。

 

そんなニーズに応えるために、最近、安否確認や身元保証、死後の手続きなどの代行をパッケージで提供する民間サービスが広がっているが、『ひとり終活』(小学館新書)の著者で、シニア生活文化研究所所長の小谷みどりさんはこう注意を促す。

 

「身元保証や死後の手続きを代行する高齢者のサポートサービスは、費用が想定以上にかかったり、預託金を流用されるといったトラブルに巻き込まれたりすることもあるので注意が必要です。たとえば、ある団体に預託金として約100万円支払ったが、事務経費と身元保証費のみに充てられ、葬儀や遺品の整理など、『死後の手続き』は別料金がかかることを知り、解約したいと思っても返戻金がほとんどなく、『損をした』という声をよく聞きます」(小谷さん・以下同)

 

頼れる親族が身近にいない場合は、まずは自治体で実施しているサービスを、目的別に個別に申し込んで使うと、費用も安く済むという。

 

終活サポート事業を実施するおもな自治体は次のとおり。

 

【神奈川県横須賀市】終活情報登録伝達事業(わたしの終活登録)

緊急連絡先や葬儀の生前契約先、お墓の場所を市に登録し、緊急搬送時や死後について、登録本人の希望する終活を実現する。

 

【神奈川県大和市】おひとり様などの終活支援事業

葬儀の生前契約や支援をする。登録者の死後、市が知人や親族などに死亡の事実やお墓の場所などを連絡する。

 

【神奈川県綾瀬市】葬儀生前契約支援事業

協力葬祭業者などの情報を提供。生前契約後、定期的に安否確認をして、登録者の死後は市が親族や知人らに連絡をする(所得制限あり)。

 

【愛知県北名古屋市】エンディングサポート事業

身寄りのない高齢者の葬儀や納骨の生前契約をサポート。希望者にはエンディングノートも配布している。

 

【兵庫県高砂市】エンディングプラン・サポート事業

市の立会いのもと、市内の協力葬儀社と生前契約できる。希望により延命治療の意思も、市と葬儀社が書面で保管する(所得制限あり)。

 

【東京都足立区(社会福祉協議会)】高齢者あんしん生活支援事業

1人暮らしの高齢者と事前に契約し、入院や施設入所の保証などを代行、死後の手続きまで行う(所得制限あり)。

 

【東京都(公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンター】あんしん居住制度

見守りサービスと、亡くなった後の葬儀、室内の財産の片付けを行ってくれる。

 

さらに東京都中野区では、全国の自治体初の、週2回見守り、死んだ後は、葬儀の手配や費用の補償、室内の片付けまでしてくれる「中野区あんしんすまいパック」が今年1月からスタート。初回登録料は1万6,200円、月額利用料1,944円。年齢制限はなく年収256万8,000円以下の人で賃貸に住んでいる人、同区に転居したい人は申し込みができる。

 

独身はもちろん、結婚している人だって、伴侶に先立たれたら“おひとりさま”。自治体などのサービスを知っておけば、“いざ”というときを、安心して迎えられる。

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