「最大4割値下げ!」
4月15日に携帯電話やスマホの国内契約者の4割近くを占めているNTTドコモが、新料金プランを発表した。総務省の家計調査によると、’17年に1世帯あたりの年間通信料は10万円を突破。年々、通信費の家計に占める割合が増している。最大手のドコモの通信料金の値下げは、家計の赤字を救ってくれるのだろうか――。
「率直に言って、ガッカリです」とは、ケータイの通信料金に詳しいITジャーナリストの三上洋さん。
「今回の新料金プランはデータ量が多くなるほど、値下げ率が低くなっていきます。データ量が1カ月3G~5GBまで高速の通信が可能になる、もっともユーザーが多いプランの値下げ幅24~20%だけ。1GBの契約であれば、3割ほど値下げになりますが、1カ月のデータ量が1GBまでというと、YouTubeを高画質で、約1時間30分ほど見ると上限に達してしまいます。このプランは、スマホをLINEやメール以外の用途で使わない人に限られるでしょう」(三上さん・以下同)
“4割引”という言葉が独り歩きをしているが。
「『みんなドコモ割』が利用できる3人以上の家族が、データ容量の少ないプランも含めて契約し直した場合などに限られます。次のように、1人の利用では、期待したほどの値下げ幅にはなりません」
■“ガラケー”の場合(インターネットを使用しない人)
【旧プラン】月額1,620円(カケホーダイライトプラン1,296円、インターネット接続サービス324円/使えるデータ量0GB)
【新プラン】月額2,052円(ケータイプラン1,296円、5分間通話無料オプション756円/使えるデータ量~100MB)
■スマホ(データ量5GBまで定額)の場合
【旧プラン】月額6,782円(シンプルプラン1,058円、ベーシックパック<~5GB>5,400円、インターネット接続サービス324円)
【新プラン】月額5,378円(ギガライトプラン<~5GB>5,378円)
スマホ利用者は、50代でも70%以上(’17年総務省「通信利用動向調査」より)に普及しているが、インターネットやメールは必要ないと、通話がメインで“ガラケー”を使い続けている人もいるだろう。
そういう、データ通信を使わずに“ガラケー”で国内通話が無料になるオプションに加入している人にとっては、新プランに移行すると、むしろ値上げになり、損してしまうのだ。