「通販のサイトを見ていたら、新しいページに行くたびに、画面いっぱいに興味のない商品の広告が表示されて……もう少し快適にスマホでネットサーフィンできるといいんだけど……」
つい最近までそう嘆いていた50代主婦のAさん。ところがいまでは、だんだんとそのような広告に悩むことが減ってきたと話す。その理由は、ウェブページ閲覧アプリ「Chrome(クローム)」で“悪質広告ブロック機能”が、7月9日から日本でも開始されたから。
ITジャーナリストの鈴木朋子さんが解説する。
「たとえば、画面全体をふさぐようにいきなり現れるタイプ、音声付き動画が自動的に再生されてしまうタイプ、画面をどれだけスクロールしてもずっと表示され続けるようなタイプ……。現在、スマホやパソコンのウェブページでは、ユーザーが嫌がるような広告が表示されることが多々あります。そんな悪質なネット広告に対して、グーグルは今後、ユーザーが操作せずとも自動的にブロックすることを決めたのです」
さらに、アンドロイドの場合はクロームを開いて、「設定」→「サイトの設定」→「広告」の順にタップするとスマホ内でも広告ブロック機能を設定・確認できる。「ブロック中」と表示されていれば、煩わしい広告はより防ぐことができるだろう。
「ただ、今回のグーグルの規制はウェブサイトを閲覧するうえでの“見づらさ”を軽減するもの。いわゆる“広告詐欺”を根絶するものではないんです」
鈴木さんがそう忠告する背景には、主婦を狙ったネット広告による被害が後を絶たないという現状がある。
「たとえば、『この副業で○○円もうかった!』というような広告には注意が必要です。資料請求などを名目に、個人情報やクレジットカード情報を入力させ、お金をだまし取るようなケースも。そのほか、『在宅』『スマホビジネス』『資格』などのキーワードが入っている広告は、警戒対象にしましょう。最近では、インスタグラムなどのSNSでも、このようなキーワードを使って、詐欺サイトに誘導する投稿がよく見られます」
そのような“詐欺広告”をできるだけ表示させないようにするには、「ポップアップブロック」をすることが有効だという。
「iPhoneの場合は、クロームの『設定』→『コンテンツの設定』→『ポップアップブロック』の順にタップし、ブロックがオンになっていればOK。
アンドロイドは『設定』→『サイトの設定』の順にタップし、『ポップアップとリダイレクト』の項目が『ブロック中』となっていれば大丈夫です」
グーグルには“詐欺広告対策”も期待したいが、まずは自分で設定を確認し、“自己防衛”を。