人生100年時代、折り返し地点を過ぎた50代は今も恋愛適齢期!? この世代ならではの出会いや進め方、そして知っておきたい恋愛のオキテを現役・経験者の赤裸々な告白から探ります。
■50代の恋愛実例「結婚も考えていたのに……娘には引かれ、彼も去っていきました。やはり50代には足かせが多すぎます」(E・Sさん/53歳/男女とも死別バツイチ/交際約1年で破局)
39歳のとき、夫をがんで亡くしました。幸い、経済的には不自由しませんでしたが、病弱な娘を育てるのに精いっぱいで、わき目もふらず過ごしてきました。ですが、娘が大学に入学したら、ふいに「このままひとりは寂しい、パートナーが欲しい」と思い立ち、“中高年の出会い”的なサイトに登録してみたのです。
そこで知り合った彼は、ともに配偶者を亡くし、シングルを貫いてきたという共通点があり、親密になるのに時間はかかりませんでした。お見合い結婚し、さらに結婚生活をほぼ夫の看病に費やしてきた私は、恋愛経験の乏しい自分にずっとコンプレックスを抱いていました。だから、ちょっぴりはしゃぎすぎてしまったのかもしれません。SNSを始め、彼とのデート風景を発信したり、人気のカフェやタピオカショップの行列に並んだり……ようやく求めていた時間が訪れ、とにかく毎日が刺激的でした。穏やかで優しい彼とも、このまま結婚するものだと思っていたんです。
それなのにある日、彼から「今後の付き合いを考えたい」と言われてしまいました。彼の長男が、結婚を考えている相手を紹介したいという話になったとき、当然私も同席するつもりで勝手にお店選びを始めたあたりから、“なんとなく違う”と感じていたそう。また、若い子と同じような内容のデートもきつかったし、連絡や会う頻度もちょっとせわしすぎる、もう少しのんびり進めていきたかったとも。取り乱した私は、彼の家に押しかけたり、職場に電話をかけてしまったりと、自分でもあきれるくらい愚かな行動に出てしまい、情緒不安定に。娘からも「お母さん、いい年して男に入れあげて気持ち悪い。別れないのなら、この家を出ていく!」と完全に引かれてしまって……。
ようやく、友人からの忠告で目が覚めました。彼と結婚して万が一、私が先に死んだら、家や娘のための蓄えの半分は彼、のちにめぐって彼の息子たちにいく場合もあるのだとか。また、彼には今後介護が現実的になる80代後半の両親もいます。彼を愛していると思っていたけれど、よくよく考えたらそこまでの覚悟はないと気づき、私も別れを承諾したのです。
この年代の恋愛ってやはり難しいですね。勢いだけではもちません。でも私、あきらめたわけではないんですよ。やっぱり恋愛って楽しいから。結婚はしなくても、恋愛はし続けて行きたい。今回の失敗を生かし、いい関係を築ける相手をこれからも探すつもりです。