切実だけど、なかなか人に相談しにくい“性”の問題。ともすれば後ろめたささえ感じてしまうこのテーマ。本誌は真正面から向き合うことにしました。今回、この問題に取り組んでくれたのは、江原啓之さん。
「性の悩みを、秘めたることにしてはいけない。堂々と、ポジティブに論じ合うべきなのです」と語り始めた江原さんの言葉に、ぜひ耳を傾けてください。そこにはきっと、“心にふたをしていたあなた”に届く珠玉のメッセージがあるはずです。
「日本では、まだ性について語ることに少なからず罪悪感を抱いてしまう人が多いですよね。ですが、性の問題は愛の問題ですから、秘めたることにするのではなく、堂々と向き合い、論じられなければならないことなのです」
今回、“性”をテーマとした特集を組むきっかけとなったのは、近年、編集部に性に関する悩みが多く寄せられるようになったから。
「この年になって性欲が高まって困っています」「結婚して数十年ですが、オルガズムが何なのかわからない」。そんな切実な悩みが目立つのだが、文面にはどこか気まずさが漂い、悩むこと自体にネガティブな感情を抱いている人が多いようなのだ。
そこで、これまで多くの女性の悩みに向き合ってきた江原さんに、性の悩みの根底にある問題、その本質について解き明かしてもらうことにした。江原さんは編集部に寄せられた手紙を丁寧に読んだうえで、それらの悩みの根源を次の3つに分類してくれた。
【1】「愛」の悩み
まず、「この年になって」と、自分でもあきれるような激しい恋愛感情に戸惑うケース。
「この悩みの根底にあるのは、もっと愛と深く向き合いたいという欲求。要するに、それまでの人生における『愛の欠如』が関与しています。背景には、母親役ばかりして、恋愛をしてこなかった、あるいは自分を愛するだけで、相手を真に愛することをしてこなかった、という後悔があります。自己愛の強さも問題となります」
【2】「ホルモン」の悩み
2つ目は、「自分でも不思議なくらい急に性欲が高まってきた」「好奇心が湧いてきて戸惑っている」という人たち。
「これは決して恥ずかしいことではありません。更年期の影響などにより、『ホルモン』が関与していることも多く、生理的現象ととらえて対処してもいいケースです」
【3】「バーチャル」の悩み
3つ目は、バーチャルな世界観に支配されているタイプ。これらについて「極めて現代的な悩み」だと江原さんは言う。
「今は女性向けのアダルトビデオやインターネットなどで性に関する情報が氾濫しています。そんな、現実離れした性の知識に踊らされ、その延長上に自分の理想とするセックスを描いてしまっている。そのために、現実のセックスに挑もうとしなくなり、いわば“性のひきこもり”状態になってしまうケースです」
江原さんが、“性の悩み”をポジティブにとらえるための魔法の言葉を伝授。
(1)性欲とは“生きる欲”。自分らしく生きるためのパワーの源です。
(2)年を重ねても“たましいは不変”。童心に帰って楽しみましょう。
(3)セックスは“オーラの融合”。愛し愛される関係の証明です。
江原さんは「日本ほど性に関することを秘め事にしてきた国はなく、年齢を重ねた女性も、もっとこのテーマと向き合い、語り合うべきだ」と力説する。
「私が個人カウンセリングをしていたのは、昭和から平成にかけての時期。当時から性やセックスに関する悩みは、女性にとって最大のテーマでした。その際、常に説いていたのは、スピリチュアルな視点では、セックスとはオーラの融合であり、いわば『オーラマーキング』であるということです。そして夫婦間においてオーラを融合させる方法は、セックスがすべてではありません。長年連れ添った仲のよい夫婦であれば、体を寄せ合うだけでも十分。つまり、『融合するオーラ』というのは、愛し愛されていることの証明であり、気恥ずかしさを感じる必要はないのです」