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「夫婦がそれぞれ仕事をしていて、世帯収入はけっこうあるはずなのに、共働きの方から『生活が苦しい』という相談を受ける機会が少なくないんです」

 

こう話すのは、財産コンサルタントとして活躍する“マネーのプロ”中島典子さん。’18年度の政府の家計調査では、共働き夫婦の平均年収は約770万円。働き手が夫一人の世帯より120万円ほど多くなっている。

 

「年収が770万円あれば、しっかり家計を管理することで年間200万円程度の貯蓄ができてもおかしくありません。それが夫婦で貯金ゼロというケースも少なくないのです。そういった家庭の支出にはいくつかの共通点が見えてきます」(中島さん・以下同)

 

中島さんがまず挙げるNG習慣は「夫婦間での収入の把握がきちんとできていない」こと。

 

■共働き夫婦のお互いの収入開示状況(夫婦いずれも正社員として働いている夫と妻それぞれの収入について、収入の開示・報告をしているかを質問したもの。家計経済研究所の調査[2017年]をもとに本誌が作成)

 

【夫の収入】

・詳細を開示:49.7%
・おおよそ開示:33.7%
・ほとんど開示していない:4.6%
・まったく開示していない:10.9%
・わからない:1.1%

 

【妻の収入】

・詳細を開示:37.1%
・おおよそ開示:36.6%
・ほとんど開示していない:7.4%
・まったく開示していない:18.9%
・わからない:0%

 

「詳細にお互いの収入を把握している」家庭はじつに半分以下だ。

 

「たとえば、家のローンや教育費は夫、食費は妻、交際費は各々の財布から……と、別々の財布で家計をやりくりしている夫婦。このように財布が別々でお互いの収入が不透明だと、思ったほどお金が貯まっていかないのです。夫婦とも自分の自由にできるお金が欲しいし必要。でも、お互いに『相手が貯金しているはず』と頼りにしていると、自分の財布のひもが緩くなる。結局どちらも貯金ゼロということがよくあるんです」

 

そこで中島さんが提案するのは、夫婦の財布とは別に“第3の財布”(銀行口座)を作り、お互いの収入の大部分をプール。そこで家計を管理する方法だ。

 

「家族の支出のメインのクレジットカードの支払いをその口座から引き落とすことにして、基本的な買い物はこのカードに一本化します。夫婦のカードの出費も“見える化”すると、夫婦間の使途不明金(「家計のブラックボックス」と呼んでいます)を減らす意識が働き、ムダ遣い防止になります」

 

「女性自身」2020年9月15日 掲載

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