送ることだけではなく、年賀状が届くこと自体に重荷を感じている人も。
「正直、年賀状なんて文化はなくなってほしい。私は独身の実家暮らしで、毎年、実家に届いた年賀状を母が家族に仕分けるというのが恒例だったんですが……友人たちから結婚式の写真や新生児の写真がプリントされる年賀状が届くと、母は仕分けながら『○○さんよかったねえ』とか『○○くんとこ女の子らしいよ』と言うんです。40歳をこえたあたりからそれが嫌味に聞こえるようになって。うっとうしいので、正月三が日は早起きして郵便ポストから年賀状を回収して自分で仕分けるようになりました。自分の幸せな姿を、人の家に一方的に送りつけてくるなんて、もはや暴力ですよ」(40代女性自営業)
この季節になると、ツイッター上でこんな声が出るのは、もはや風物詩と化している。
《そろそろマジで年賀状やめたい》
《出すのやめよう。って思って結局ギリギリでやっぱり出すってことがここ数年続いてる。本心は、やめたい》
だが、冒頭の女性のように、年賀状のやり取りを実際に止めてしまった人から、不都合があったというような声はほとんど聞こえてこない。出すのを止めたという建設会社に勤める30代男性はこう語る。
「出すのを止めた年に、毎年やり取りをしていた会社の後輩から『喪中でしたっけ?』と言われたことはあります。向こうはくれてたので、心配になったみたい。正直に『もう出すのを止めた』と言ったところ、後輩も止めたいと考えていたらしく、喜ばれました。本当はみんな止めちゃいたいけど、相手が送ってくるから止められないという悪循環になっているんじゃないでしょうか」