2020年12月22日が、占星術に興味をもつ人々から“大きな転換点”と見られていることをご存知だろうか――。
その日、木星と土星が重なる「グレートコンジャンクション」という20年に一度のポイントを迎える。加えて、これまでの200数十年は「土の星座(牡牛座、乙女座、山羊座)」で起こっていた”グレコン”が、今回より150年弱は「風の星座(双子座、天秤座、水瓶座)」で起こる。それをもって西洋占星術の世界では「風の時代」が始まるとされているのだ。
新型コロナウイルスにより、多くの人がこれまでとは違う生き方を求められた2020年。激動の先に広がる「新時代=風の時代」はどのように生きていけばいいのだろうか。ヒーラーであり星読み師、著書『星2.0』も話題となっているyuji氏に伺った。
■「頑張らないとダメ」の時代からの脱出
これまでの「土の時代」は、おそらく「頑張らないとダメ」だったんですよ。頑張らないと評価をされないし、頑張ることでノルマや、規定されているものを埋めていくような時代だった。たとえば学校のテストは、先生方やテスト作成者が求めているものを答えとして出したものが点を取れるという仕組みですが、これは「土の時代」的。
これからの「風の時代」は、そもそもの「問題提起」から始まります。つまり「問題を見つけること」から始まり、その答えを自分たちで出していくということ。
それには、“創意工夫力”や“応用力”が必要になるかと思います。これまでのやり方に慣れている方は、新しい形に慣れなくてはいけませんが、そうした力がある方や世代は非常に生きやすくなると思いますよ。
これまでの「土の時代」は、「土」というだけに、あらゆるものが根ざしていた時代。「風の時代」は、根ざすというよりも少し浮いて、いくらでも流動的に動ける、そういう時代です。
実際、今年は「テレワーク」「リモートワーク」と言って、出社しなくてもどこででも仕事ができてしまうようになり始めましたよね。そうした働き方は「風の時代」的だなと思います。要するにこれからは、“居場所の制約”があまりなくなってくるわけです。
たとえばすごく面白いことを地方でやっていたとすると、風のように軽快なフットワークを持つ層が、向こうからどんどんやってきて、さらにSNSなどで発信もしてくれたりするようになっていく。
自分が軽快に動けなかったりSNSを使いこなせない方でも、彼らのアンテナに引っかかる「被対象者」になればいいわけです。そうなれたら、土の時代には出なかったような最高益が出ることもあるはず。無理して「自撮りしてSNSにアップ」とかをしなくても、まったく問題ないです。
■新時代は“過去”なんて捨ててしまおう
これからは、過去がどうだったから未来はこうなるだろう、という方程式は成り立たない時代です。「今までOKだったから、これで大丈夫だよね?」という思考は通用しなくなる。だから、新しいプラットフォームや環境などにどんどん飛び込む。古いものから解脱していった方が圧倒的に生きやすくなると思います。
たとえば仕事を決める際に、「何学部だからこういう職種」などと考えたりしますが、その思考回路は、過去(何をしてきた)から未来(こういう仕事)を考えていますよね? それって、未来を考えているようで実は過去に縛られているわけで。もう、そうしたこれまでの”時間軸”は卒業してしまいましょう!
僕自身、以前はイタリアに住んでデザインを仕事にしていましたが、今はこういう仕事をしています。でも、もしかしたら来年からはまったく違うことをするかもしれません。そんな風に「なんでもあり」なのが風の時代です。
今はスマートフォンを持っていれば、”宇宙クラウド”と繋がっているようなもの。何かをポチポチっと発信して仮にそれがバズれば、極端に言うとその瞬間からたとえば「インフルエンサー・情報発信者」なんですよね。みんながそのツールを持ち、みんなにその可能性はもたらされている。あとは一歩踏み出せるかどうかだけです。
昔は家族全員が同じテレビ番組を見て、みんなが口ずさめるヒット曲なんかがありましたけれど、近年はほとんどありませんよね。今は、Netflix、Hulu、あるいはYouTubeなどと、メディアも多様化が進んでいます。今後はますますその傾向が強まり、それこそマジョリティやマイノリティという概念すら無くなっていくのではないかと思います。
逆に考えると、ものすごくニッチだったりコアなものこそがヒットする可能性が高まるので、「世の中的にこうだからこっちに合わせなくてはいけない」というようなことも考えなくていい。
さらに言えば、「人にどう思われるんだろう?」「友達に見られたら恥ずかしい」なんて躊躇も手放してしまいましょう。「私なんかが……」とか「仕事が……」「年齢が……」など、自分の衝動を押し留めさせるものは誰しも必ず持っているもの。けれどその一線を超え、”人間界の常識”を捨てて行動に移した人は、必ずや星からの後押しを受けられるはず。身近な人に理解されようとするのではなく、ひと回り遠くの人たちに届けるイメージで動くといいと思います。
ちなみにうちの父親は、70歳を過ぎていますが、数年前からiPhoneで音声入力を出来るようになってボイスメッセージを送ってくるんですよ(笑)。細かい買い物には小銭ではなくPayPayを使っていますしね。要するに、年齢なんて関係ないということです。「私は何歳だから……」という考え方も2020年のうちに捨ててしまいましょう!
過渡期の現在は、「何か新しいことを始めなくては……」と焦っている方も多いかもしれません。風の時代に向けて何かを始める際に、ものすごく重要なポイントが一つあって。それは、「絶対に自分の個性を出すこと!」。「流行っているから」「これが今、売れているから」という風に動いて無個性化してしまうことは、風の時代的にはNOT ウェルカム。ぜひその点を意識していただけたらと思います。
【PROFILE】
yuji
星読み係、ヒーラー、聖地巡礼家。香川県生まれ。イタリア・ミラノにてプロダクトデザイン会社に勤務。ヒーラーとしての宿命に抗えず東京へ拠点を移し、星読みの連載、個人鑑定、講演など幅広い分野で活動中。