画像を見る

男性と比べて平均寿命が約6年も長い女性にとって、夫の死後の人生をどう生きていくのか、というのは避けては通れない問題です。いずれ来る「その時」を乗り越えるためにきっちり備えておきましょうーー。

 

■夫と同じお墓にだけは絶対に入りたくない!

 

夫との生活はもうじゅうぶんだから、死んだ後くらい別のお墓に入りたい。義父母と同じお墓に入るなんて絶対イヤ! ひそかにこう決意している妻は少なくないだろう。

 

では、夫の家のお墓に入りたくない場合、どうすればいいのか。葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタントの吉川美津子さんに聞いた。

 

「妻は婚家のお墓に入らなければいけない、という法的な決まりはありませんから、どのお墓に入るのも自由です。ただし、自分が入るお墓を事前に考え、伝えておく必要があります。自分ひとりが入るだけのお墓を探すなら、死後に遺骨を供養、管理してくれる永代供養システムのあるお墓がいいでしょう。一般的なお墓のほかにも納骨堂など選択肢はいくつもありますが、近年、人気が高いのは樹木葬です。首都圏の寺院や霊園で広まっており、最近は地方でも増えつつあります」

 

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や花を目印としたお墓のこと。実際には寺院や霊園により、ガーデン風に整備された区画に小さな墓石を建てるタイプ、1本の樹木の元に合同で葬られるタイプなどさまざまなスタイルがある。

 

「新たにお墓を探す以外には実家のお墓に入るという選択肢もあり、お墓の所有者である名義人の了解さえ取れれば可能です。最近は封建的な家意識が薄れ、既婚、未婚、男女関係なく、生まれた家のお墓に入ろうと考える人も珍しくありません」

 

ただし、自分の入る墓が決まっても、夫の先祖代々の墓を継いで供養する人がいなくなれば、そちらはいずれ無縁墓となってしまう。引き継ぐ子どもがいない場合は、夫のきょうだいなどの親戚に墓の承継をお願いしておこう。

 

今ある墓を更地にし、遺骨を永代供養墓へ納骨し直す“墓じまい”をする人も増えているが、お墓の広さ、納める遺骨の数によっては100万円以上費用がかかることもあるので、早めに準備を進めておきたい。

 

「自分が入るお墓を手配したら、死後そこに入れてくれるよう、子どもに伝えておくことを忘れずに。いくらお墓を決めていても、死後のことは、誰かに託すしかありませんから」(吉川さん)

 

ただし、死後「やっぱりお父さんと同じお墓に入ったほうがいいんじゃないか」と考えた子どもが、先祖代々のお墓に納骨してしまうことも考えられる。不安な場合は、信頼できる人に法的にお願いする手段がある。相続に詳しい弁護士の竹内亮さんは2つの制度を提案する。

 

「1つは『祭祀承継者の指定』です。祭祀承継者とは、長期的なお墓の管理などの責任を負う者のことで、遺言で指定できます。子どもや親族の中で、もっとも理解のある人を祭祀承継者に指定するといいでしょう。もう1つは『死後事務委任契約』で、亡くなった直後の葬儀や納骨、行政手続きなどを信頼できる人に委任できる制度です。お墓をめぐって争い事が起きる可能性が高い場合は『祭祀承継者の指定』に加えて、同じ人とこの契約を締結しておくと安心です」

 

これらの制度は、親族以外でも指定、契約を結ぶことができる。頼れる子どもや親族がいない場合は、友人などで信頼できる人を探してみよう。

 

「女性自身」2021年3月2日号 掲載

【関連画像】

関連カテゴリー:
関連タグ: