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「最近カルチャーセンターでは講座を開いても、平日の昼間だと50〜60代の方が集まらないのだそう。その理由は、パートを始めた人が多いからなんです」

 

こう語るのはファイナンシャルプランナーの寺門美和子さん。アラフィフ女性の相談者や友人、知人からも「パートに出たい」という声を聞くようになったという。だが、いざ働こうと思っても、「何年も働いていないのに、ちゃんとできるかな」と、最初の一歩を踏み出せない人も多いそう。

 

「昭和の時代は、学校や職場で、完璧じゃないものを見せると怒られました。そのため、50代女性は世代的に完璧主義の傾向が強い。そして、その“完璧でなければ”という思い込みから、パートへの応募を躊躇しがちなのです」

 

だが、過度に不安に思う必要はないという。

 

「今の社会、特に若い世代は、最初から完璧を目指さず、トライ&エラーを繰り返し、修正しながら完璧を目指していきます。わからないことがあれば聞けばいいし、失敗したら学べばいいんです。働いてみて自分に合わなければ、すぐに辞められるのがパートのいいところでもあります。重く考えず“とりあえずやってみよう”という軽い気持ちでまずは飛び込んでみてほしいです」

 

シニア世代の働き方やライフスタイルに詳しいシニアライフアドバイザーの松本すみ子さんは、専業主婦力が発揮できる職場として次の3つを挙げる。

 

【1】家事代行業

「主婦は洗濯、炊事、掃除、何でもできる家事のプロ。主婦の仕事を月収に換算すると27万円ほどになるといわれています。自分の家でやれば無料ですが、別の家で家事をすればお金になる。昨今はコロナ禍で求人が減っていますが、もともと高齢者のご家族からのニーズが高い職種です」

 

【2】介護業界

「慢性的に人手不足で就職しやすく、“社会の役に立つ”というやりがいも得られます。女性の方が利用者とのコミュニケーションも上手なので、介護業界でも主婦は求められています」

 

【3】コールセンター

「女性は言葉遣いがソフトですし、ママ友コミュニティやPTAなど人生経験が豊富な主婦は、突発的な事例に対する対応力があることが多いんです」

 

「老後資金も不安だし、今年こそパートに出よう」と思ってはや幾年……。専業主婦にとって、社会復帰は怖いもの。しかし、“こんな私でいいの”と不安に思うより、長年生きてきて身につけた主婦力を武器に、自信を持って働きに出てみよう。

 

「女性自身」2021年5月25日号 掲載

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