■45歳~59歳で気を付けたい病気とお金リスク
次に紹介する45〜59歳までの注意点をもとに、人生後半戦に高まるリスクを把握し、病気とお金の両面から今すぐにでも対策を始めよう。
■45〜49歳
病気:乳がんのリスクが高まる【※1】/うつになる人が増える
【※1】乳がん手術費はおよそ60万円! 定期検診と保険の見直しを
12人に1人が罹患する乳がんの発症率が高いのは45〜50歳。
「発症者は年間9万人近くおり、約1万5,000人が命を落としています。早期に見つけて治療すれば完治も」(室井さん)。
個人差はあるが、手術費は自己負担で60万円ほど。そのほか薬物療法や放射線療法なども考慮が必要。50代からは胃・肺・大腸・子宮のがん発症頻度も増加し、治療にかかる費用は年間平均115万円(日本医療政策機構調べ)。定期的な検診とがん保険の見直しをしておこう。
■50〜54歳
病気:更年期障害は、閉経を迎える51歳がピーク【※2】/高血圧になるリスクが急激に高まる
お金:親が認知症を発症し、介護で離職する【※3】/親が亡くなり、遺産相続の争いが勃発する
【※2】生涯にわたる治療費100万円! 更年期後の病気予防が重要
女性ホルモン“エストロゲン”の減少により起こる更年期障害。日常生活に支障をきたす場合、治療費(ホルモン補充療法)は平均10年間で約20万円。
「エストロゲンは血管を保護する働きもあるため、減少により動脈硬化が進行するので要注意。また、高血圧症の人も増えます」(室井さん)
降圧剤などで年間約5万円。生涯にわたれば薬代と診察費で100万円程度の治療費がかかることも。予防のため、適度な運動と食生活の改善が必須だ。
【※3】収入ゼロ、年金減額を招く介護離職は絶対に回避すべき!
人生後半戦に突入して降りかかるのが、親の介護問題。
「費用が抑えられる公的介護施設は入居待ちが多く、数年間は自宅介護となるケースが圧倒的に多い。民間の介護施設だと首都圏の場合、月20万円ほどの費用がかかるため、自宅で介護せざるをえず、50代で離職する人が急増するのです」(横手さん・以下同)
しかし介護離職は、継続収入が断たれることが大きな問題。
「一度離職すると再就職が極めて難しくなり、なおかつ年金の受給額も目減りするため、自分の老後不安が拡大します」
1人で抱え込まずに介護サービスを利用するか、利用できない場合でも、勤務先と相談して出勤日や業務時間の調整ができないか確認し、介護離職は絶対に回避したい。
■55〜59歳
病気:子宮がんに要注意/胃がん罹患者が増加する
お金:熟年離婚の危機
50歳以降は病気と医療費との闘い! 今すぐそなえて穏やかな老後を迎えよう。