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ゆうちょ銀行は1月、ゆうちょ銀行の外にある「ゆうちょATM」の利用料金を一部有料化した。ほかの銀行でも、手数料の新設や値上げが続いている。そんな銀行の有料化について、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。

 

■銀行のコロナ特需は長くは続かない

 

1月17日から、ゆうちょ銀行は駅やショッピングモール、ファミリーマートなど、ゆうちょ銀行の外にある「ゆうちょATM」の利用料金を一部有料化しました。

 

平日8時45分〜18時と土曜日9時〜14時は無料ですが、それ以外の夜間・休日には利用料金が1回110円かかります。ただし、郵便局やゆうちょ銀行内にあるゆうちょATMは今までどおり、いつでも無料で利用できます。

 

また17日からゆうちょATMでは硬貨の入出金に「硬貨預払料金」が必要です。硬貨の入金は1回100枚まで、1〜25枚だと110円、26〜50枚は220円、51〜100枚が330円。出金は硬貨が1枚でも含まれると110円かかります。

 

さらに、ゆうちょ銀行の窓口でも硬貨の取り扱いに「硬貨取扱料金」がかかります。硬貨は金額に関係なく50枚までは取扱料金が無料ですが、51〜100枚は550円、101〜500枚は825円、501〜1,000枚だと1,100円で、以降500枚ごとに550円加算されます。

 

注意したいのは、窓口に硬貨を持ち込み、枚数算定の後で「料金が高いから預け入れをやめる」と言っても料金がかること。貯金箱いっぱいの硬貨だと、硬貨取扱料金がかさみ、せっかくの貯金が目減りすることもあるでしょう。

 

近年ほかの銀行でも、手数料の新設や値上げが続いています。三菱UFJ銀行は’22年4月以降に18〜69歳の方が新規口座を開設し、紙の通帳を発行する場合は「紙通帳利用手数料」が年550円かかります。これまで三井住友、みずほの両行には紙通帳に関する手数料がありましたが、これで3メガバンクそろって、新規口座の紙通帳が有料になりました。

 

実は今、銀行は“コロナ特需”と呼ばれるほど業績が好調です。コロナ禍で不況に陥った中小企業向けに、国が利子などを補助する実質無利子・無担保の融資が増えているからです。

 

とはいえ、コロナ特需は長く続かないでしょう。銀行はコロナ後、さまざまな取引に手数料をかける「手数料ビジネス」を収益の柱にしたいと考えています。今は無料が当たり前のサービスに、手数料がかかる日が来るかもしれません。

 

銀行は超低金利のうえ手数料が増えると、私たち利用者の負担が大きくなりますが、残念ながらこの流れは変わりません。「ゆうちょATMはいつでもどこでも無料」といった古い間違った情報はさっさと捨て、情報をアップデートし、手数料がかからない方法を知っておくことが大切。手数料で預貯金を目減りさせるなど本末転倒です。

 

それでも私たちが銀行にお金を預けるのは、銀行を信用しているからでしょう。昨年来頻発しているみずほ銀行のシステム障害は、こうした信用を失いかねない大問題です。銀行によって金利や手数料が異なる時代、私たちが銀行との付き合い方を考え直すきっかけにしたいと思います。

経済ジャーナリスト

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