■預金を引き出せなくなるトラブルに備え、親が認知症になる前にやっておくべきこと
〈銀行で代理人カードを作る〉
銀行窓口に通帳とキャッシュカード、届出印などを持参して手続きをすると、約1週間で発行してもらえる。
〈日常生活自立支援事業を利用する〉
市区町村の社会福祉協議会で手続きをすると、生活支援員が日常的な金銭管理(水道光熱費などの公共料金の支払い、預貯金の通帳・年金の管理など)を行ってくれる。
〈任意後見制度を利用する〉
家族と協議し、公証役場で公正証書の形式で契約。判断能力が衰えたら親族などが家庭裁判所へ任意後見監督人選任の申し立てをして、任意後見監督人が決まったときから契約内容が実行される(※すべての財産に対して使える)。
親の判断能力が低下したときに直面する「お金のトラブル」。もしものときでも慌てないように備えておこう。
【PROFILE】
元木翼
司法書士、行政書士。司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表社員。相談業務や講演活動のほかメディアにも多数出演。近著に『親の財産を“凍結”から守る認知症対策ガイドブック』(日本法令)がある