20年生まれの楓浜〔ふうひん〕と共に(撮影:月亭ペン太) 画像を見る

17頭の繁殖に成功し、世界一のパンダファミリーを築いている和歌山県のアドベンチャーワールド。永明(えいめい)との間に10頭の子どもを産んだ良浜(らうひん)が9月6日に22歳の誕生日を迎えた。

 

アドベンチャーワールドに長年通っている月亭ペン太氏は次のように語る。

 

「良浜は子どもたちが遊んでいると、童心にかえったように一緒に滑り台で遊んだりしています。子どもたちは寝ている良浜の背中や頭の上に登っていたので、それをひそかに“ママ登り”と呼んでいました。印象的だったのは桜浜(おうひん)、桃浜(とうひん)のとき。生まれたばかりのころは本能的に外敵から守るように抱きかかえ、よちよち歩き始めたころは寝ていた良浜がそばに桜浜がいないことに気づくとスクッと起き上がって保護していました」

 

優しく愛情たっぷりな良浜。人間の年齢でいうと現在66歳だが、肝っ玉母さんぶりとかわいさで人気は健在だ。

 

そんなビッグママ良浜の愛情が築いた、世界一のパンダファミリー“浜家”の軌跡を振り返る。

 

【’08年生まれ】梅浜(めいひん)&永浜(えいひん)

良浜の初の出産が双子、ということで心配の声もあったが、母譲りの愛情で立派に育て上げた。2頭は4歳のとき中国へ旅立った。

 

【’10年生まれ】海浜(かいひん)&陽浜(ようひん)

海浜はママにべったり甘えん坊、陽浜はクールだったが、親離れしてからは遊具などを壊したりする活発な子に。6歳で共に中国へ。

 

【’12年生まれ】優浜(ゆうひん)

双子の1頭として生まれたが、もう1頭は死産に。優浜は人懐こく、マスコミへの神対応もあった。4歳のときから中国で暮らしている。

 

【’14年生まれ】桜浜(おうひん)&桃浜(とうひん)

良浜ママの美貌をいちばん受け継いだといわれる双子。桜浜はママに寄り添うようにいつでも一緒で、桃浜は一人遊びが好きなタイプ。

 

【’16年生まれ】結浜(ゆいひん)

母親譲りのおてんばさん。子どものころは良浜ママが笹を食べているときに後ろから顔を出したりと「ママ大好き」アピールをしていた。

 

【’18年生まれ】彩浜(さいひん)

75グラムという小さい体で生まれたが、たっぷりの愛情で育てられ、今では大きく成長。その貫禄から「社長」と呼ばれている。

 

【’20年生まれ】楓浜(ふうひん)

今年4月、ママと離れて独り立ちした楓浜だが、末っ子パワーで元気いっぱい。直姉の彩浜の後を継ぐ「副社長」と声も上がるほどの貫禄も。

 

【良浜の子だくさんは母ゆずり!】

良浜の母・梅梅(めいめい・’08年永眠)も多産。妊娠中に来日して良浜を産み、永明との間にも6頭の子どもをもうけ、生涯で9頭出産した。パンダは1頭ずつしか授乳しないといわれているが梅梅は双子を同時に抱いて授乳。“奇跡の母”と呼ばれた。

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