■自分の知らないところで勝手に損をする地雷商品
【4】ファンドラップ
投資のプロに全てを任せられると人気が高まっている「ファンドラップ」だが、ファンドラップの利用料と投資信託の手数料、二重の手数料がかかる。さらに固定報酬型は、投資顧問報酬などが年1%程度ひかれる。
「変動報酬型は管理料などが低くなるが、成功報酬として5~10%徴収されることも。金融機関にとっては、ぜひ買ってもらいたい“うまみのある”商品なんです」(頼藤さん)
【5】退職金運用プラン
退職金をもらったら、金利がお得になる「退職金運用プラン」を考える人もいるはず。「定期預金と投資信託をセットで申し込めば、定期預金の金利年3%!」などのふれ込みは一見お得だが、その優遇金利はたいてい3カ月間といった短期間に限定されている。
「退職金2000万円を、定期預金と投資信託、半分ずつ預けると仮定。定期預金の利息は3カ月で7万5000円ですが、投資信託は購入時に3%程度の手数料を支払うので、マイナス30万円。さらに保有中は1%程度の信託報酬も引かれ続けるため、トータルでは損をする可能性が」(頼藤さん)
【6】外貨建て保険
主婦層にも人気の「外貨建て保険」。1ドル140円台と超円安が続き、ドル金利の上昇からもお買い得に感じるが、頼藤さんは「ほとんどもうけは出ない」と説明。
「金利が得られても、為替次第で、円に戻したときにそれ以上に損をする恐れが。手数料も高額です」(頼藤さん)
【7】えたいの知れない金融商品
もし、「元本は保証されているよ!」「高利益が約束されている」など甘い言葉で誘われたら要注意。「ポンジスキームと呼ばれる投資詐欺の可能性が高い」と頼藤さんは指摘する。
ポンジスキームとは、金を集めて運用し、出資金に応じて配当金を出すという建て前で、実際は、後から参加する出資者から集金した一部を“配当金”と偽り渡す詐欺のことだ。
「詐欺の立証が難しく、ほぼお金は取り返せません。最近多いのが、暗号資産やNFT、土地に関する投資です。低リスクで年利10%を超える商品は絶対にない」(頼藤さん)
高山さんもこうに話す。
「“元本保証”“未公開株”といった話があっても、のらないようにしましょう」(高山さん)
では、大事な老後資金を安心安全に運用するには、どうすれば?
「安定的に増やせるiDeCoや、つみたてNISAを活用すべき。後者は金融庁が商品をスクリーニングしているので安心です」(高山さん)
退職金や相続金などまとまったお金が入ると、気が大きくなりがち。甘い罠に引っかからないよう、家族で情報を共有しよう!