(写真:PIXTA) 画像を見る

「退職金や相続したお金などを投資し、損をする人が増えています。銀行の営業に誘われるがまま投資したり、えたいの知れない金融商品に手を出したりすると、お金を増やすどころか目減りするかもしれません」

 

こう話すのは、マネーコンサルタントの頼藤太希さん。警察庁によると、実際投資被害に関連する相談件数は年々増加傾向にあり、今や被害総額は1000億円を超える。

 

頼藤さんと、お金について学ぶ動画チャンネル「Money & You TV」を開設しているファイナンシャルプランナーの高山一恵さんも、次のように話す。

 

「お金は運用して増やすことも大事ですが、リスクの高い商品に手を出すと悲惨な目に。金利が高いものほど罠があります。危ない金融商品は賢く避けましょう」

 

そこで2人に、手を出してはいけない「投資の甘い罠」を7つ解説してもらった。

 

■家賃収入や毎月分配……「安定した利益」が常套句

 

【1】不動産投資

 

退職金や相続したお金で一括購入しても、元を取るまで20年以上かかることも。

 

「家賃収入目当ての人は多いのですが、住宅ローンが組めないからと、老後資金での一括購入はダメ。不労収入を得るのは、20年先と長く、その間に、不動産価値の急落や手放したくても希望価格で売れないなどのリスクもあります」(頼藤さん)

 

【2】毎月分配型の投資信託

 

銀行や証券会社が、「毎月おこづかいが入りますよ!」などと言って勧めてくる「毎月分配型の投資信託」もNGだという。

 

「もうけが出ない月は、元本から分配金が支払われるカラクリです。金融機関が熱心に勧めるのは、高額な手数料が取れるから。金融機関の収益が下がり、手数料で挽回したい懐事情があります」(頼藤さん)

 

【3】オプション付き投資信託

 

株価指数や為替レートなどの変化による条件が付く複雑な仕組みで、理解しづらい商品。手数料が高額で、条件が付くぶんリスクも高い。

 

「仕組みが複雑な、“ハイリスク・ハイリターン”商品。リスクも手数料も高いので、安易に手を出すと大変なことに」(頼藤さん)

 

なかでも、債券にオプションなどを組み込んだ「仕組債」は、購入した人が損をする仕組みだという。

 

「金融機関側が利益の数%近くピンハネしているんです。何もしなくてもオプション料が入り、株価がどうなろうともうかるため、これをどんどん売り出しました」(頼藤さん)

 

その結果、70~80代が老後資金を失い、トラブルになるケースが多発。証券・金融商品あっせん相談センターで紛争解決した事例は、「仕組債」がトップに。

 

「みずほ証券が9月14日までに新規の勧誘を一部停止。三井住友銀行と千葉銀行は販売を停止。しかし、ほかの金融機関では手数料欲しさに、まだまだお勧めしてきます」(高山さん)

 

次ページ >自分の知らないところで勝手に損をする地雷商品

【関連画像】

関連カテゴリー: