「10月2日より、三菱UFJ銀行が振込手数料を値上げすることが発表されました。たとえば店頭窓口から他行口座に振り込む場合、現在は3万円未満で594円、3万円以上で770円の手数料ですが、一律990円になる予定です。またATMから他行口座に現金で振り込む場合、現在は3万円未満で374円、3万円以上で550円の手数料なのが、一律880円になる予定。さらに同行は、今年度中にもATMの24時間稼働を廃止する方針です。
そもそも金融機関のATMの台数は、1999年の11万8000台から、2021年には9万3000台と、20%以上減りました。財務総合政策研究所の調査によると、大手銀行の店舗数も2001年から2021年までに全体の26%にあたる845店が統廃合されました。いずれもコストカットが理由ですが、今後もこの傾向は続くでしょう」(全国紙経済担当記者)
振込手数料だけではなく、消費税の増税のたびにメガバンクの出金手数料も値上げされてきた。口座を持っている銀行のATMでも、無料でお金を引き出せる時間は1日のうちの限られた時間だ。支店の統廃合などで、近隣から銀行ATMがなくなった場合、お金を下ろすたびに手数料がかかることになる。
「今後、ますますメガバンクは使いづらくなる」と指摘するのは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんだ。
「たとえばみずほ銀行は70歳未満の人が新規口座を開設した場合、紙の通帳が1冊につき1千100円もかかるようになるなど、これまで以上に維持費がかかります。一方、100万円を貯金していても、年間の利息はわずか10円、20円。貯金が減っていく一方です」
そこで注目したいのが、商業施設と連携した銀行や、インターネット専業銀行などの“新たな形態の銀行”だという。
「従来どおりに店舗窓口で口座開設したり、郵送による申請や、パソコンやスマホによる操作で口座を開設できる銀行もあります。ネット主体の銀行は、人件費を抑えられることから手数料が安いのが特徴。商業施設と連携している銀行は、買い物するたびにポイントが加算されたりするメリットがあります」
ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんも、次のように語る。
「メガバンク、地銀、ゆうちょ銀行などをメインバンクとして給与の振り込み、光熱費などの引き落としをしていて、また紙の通帳へのこだわりが強い人は、なかなか銀行を乗り換えられないことも多いはず。そういう人は“サブバンク”に、新たな形態の銀行を検討してみてはどうでしょうか」