睡眠が2時間不足でうつや不安障害リスク…「脳冷やし」で快眠、健康なメンタルへ
画像を見る 深部体温が快眠のカギ(写真:PIXTA)

 

脳冷やしとは、具体的にどうすればいいのだろう。

 

「氷枕や通気性のよい枕を活用して、脳を気持ちよく冷やすのが効果的。冬はそこまでせずとも、日中暖房のない部屋に枕を置いておけば大丈夫。寝るときには脳冷やしにちょうどいい温度の枕になっています」

 

ただし、首元を冷やすのはNG。耳から上あたりが冷えるように、枕の使い方に注意しよう。

 

「脳自体の興奮を抑えることも大切です。寝る前には、スマホなどが発する強い光や、刺激的な映像などは避けてください」

 

睡眠前の3~4時間は食事をとらないことも重要だという。

 

「食べたものを消化するため内臓が動くと、深部体温の上昇につながります。脳冷やしと合わせて、食事時間も調整できるといいですね」

 

快眠を助ける脳冷やしだが、寒い冬は、逆に脳を温めてしまうNG行動をとりがちだという。

 

「首元が寒いからとパーカのようなものを着てフードをかぶった状態で寝るのはNGです。脳の温度上昇につながってしまいます。また、柔らかすぎる枕にも注意が必要です。頭が枕に埋もれるほど沈みこんでしまうと、熱がこもって脳が温まります」

 

さらに深部体温を考えると、湯たんぽや電気毛布などの使い方にも気をつけたい。

 

「睡眠中ずっと体を温めていると、深部体温の低下が阻害されてしまいます。湯たんぽや電気毛布などは寝る直前まで布団を温めるために利用して、布団に入ったら電源を切るのが得策です」

 

冬は「足が冷たいと眠れないから」と、靴下をはいたまま寝る人も多いが……。

 

「靴下はあまりお勧めできません。体の熱は足先や足の裏から放出されるのですが、靴下で足全体を覆ってしまうと、熱の逃げ場がありません。その結果、深部体温が下がりづらくなるのです。冷え性の方などは、足先をカバーしないレッグウオーマーを着けるといいでしょう」

 

熱中症を予防するため、夏はエアコンの活用が叫ばれるが、冬も室温コントロールが重要だそう。

 

「室温は16~22度、湿度は50%以上が最適です。布団は柔らかく体にフィットして、暖かさを逃がさない羽毛布団がお勧めです」

 

体を温めるといえば、入浴も大きなポイントだ。入浴時間や湯温にも意識を向けたい。

 

「冬場は40度程度のぬるめのお湯に20分ほどしっかりつかると、よく温まります。眠る1時間くらい前に入浴すると、徐々に深部体温が下がって眠気が起こり、スムーズに入眠できるでしょう。もっと熱いお湯が好きな方は、眠る2時間以上前に入浴を済ませるといいと思います」

 

毎日忙しい私たちは、休息や睡眠を軽視しがちだ。だが、睡眠不足がうつなど精神疾患を招く恐れがあることは肝に銘じておきたい。脳冷やしでしっかり睡眠をとり、うつなどと無縁のハッピーライフを送ろう。

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