■高収入のはずの彼が情に訴えてお金を要求
2人だけの空間ができあがると、高収入で潤沢なはずの彼が、ビジネス上などの弱みを見せてくる。
「たとえば《仕事はうまくいってるけれど、クライアントからの振り込みが滞っていて……》などと書いてきたりします。
また、《君に会いに行きたい》という流れで《日本に行くお金を出せないか?》と言ってきます。この段階になると、投資に誘導されることが多い」
とはいえ、うまい話には落とし穴があると思うものだが……。
「騙されて入金してしまうのは、《今日中に振り込んでほしい》など期限を決めてくるから。制限をかけられると人間は判断力が鈍ります。また、家族や友人に相談する時間も与えないんです。
《本当に信じて大丈夫なの?》と聞けば《そんなに信用されていないのか、僕はすごく悲しい》《僕がいま、お金を持っていないのがいけないんだよね》などと、情に訴えてきて、女性は自責の念にかられてしまいます」
これらは、「すべて犯人のマニュアルにあると思う」と京師さん。
そのうえでの最大の防御策とは、「知らない人はドロボーと思え!」だとズバリ。
前出の木之本警察署の担当者は、「お金の要求があった場合には、すぐに警察に相談してください」と言う。一度も会ったことのない他人に財産を奪われないように。
■事例1
2人の結婚後の資金を貯めるためにと暗号資産を送金させられたが、連絡が取れなくなった
【出会い】マッチングアプリ
自称、日本在住のワイン輸入業者の役員というイギリス人男性
メッセージアプリで連絡を取るようになった。やり取り開始時から男性は私のことを「妻」と呼び、「結婚後に悠々自適な生活を送るために2人で資金を出しあって投資をしよう」と言われた。男性が指定した口座に合計130万円分の暗号資産を送った。相手に会うためにも必要だと思い、さらに40万円分を送った。しかし相手から「新型コロナに感染したから会えない」と連絡があった。(40歳代女性)
■事例2
2人の将来のためと勧誘され投資したが、出金しようとすると保証金を要求された
【出会い】マッチングアプリ
自称、韓国人経営者、ファッションブランドでVIP待遇
男性がアプリを退会し、無料会話アプリでやり取りする中で、「Baby」「妻」と呼ばれるようになった。将来のため、紹介する投資サイトで投資するよう説得された。銀行や消費者金融から借り入れて、合計約500万円投資。出金しようとしたら保証金180万円を要求された。(30歳代女性)
■事例3
「息子と日本で住む物件を一緒に買いたい」と5000万円を要求
【出会い】FacebookからのDM
自称、元パイロット
「かわいい」「素敵ですね」と毎日言ってくれる。シングルファーザーで息子の写真が送られ「息子と日本で住みたい」と言われた。途中でLINEに誘導。「日本に住む物件を一緒に買いたい」と5000万円を要求された。(60歳代女性)
■こんな人に気をつけて
【相手の特徴】
・自称外国人や外国在住経験のある日本人(イギリス人/アメリカ人/韓国人が多い)
・職業は経営者/医者/軍人/パイロットなど
・不自然な日本語
・暗号資産やFXでもうけている
・趣味は投資や資産運用
【連絡の取り方】
・マッチングアプリから早々にLINEなどのSNSへ変更を提案
・SNSなどからDMが届く
・まめな連絡
・直接に会うことはない
【投資の誘い文句】
・投資に詳しい家族や親戚(知人)の言うとおりに投資をすればもうかる
・結婚するなら金銭感覚の近い人がいいから、一緒に投資を運用しよう
・結婚資金を貯めるために投資しよう
・豊かな結婚生活のために投資は重要だよ
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