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フリマアプリの「メルカリ」で、粗大ごみを販売する自治体が増えています。

 

メルカリは原則個人が利用するものですが、メルカリアプリ内にネットショップを作る「メルカリShops」なら法人でも利用できます。この仕組みを使って34の自治体が出店(2024年5月29日時点)。住民が出した粗大ごみや不要になった備品のなかから、まだ使えそうなものを販売しています。

 

出品物で多いのはテーブルやいす、家具、家電製品、楽器などもあります。珍しいところでは、神奈川県鎌倉市の「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」のポスターなど、コレクターが喜びそうなものも。

 

当然ながら“一点もの”ですから、購入は早い者勝ちです。売り切れ続出の自治体も多いです。

 

出品物はそれぞれ、粗大ごみとして出されたものだと説明されています。また、大きなものなどは「配送不可、引き取りのみ」も。メルカリで購入後、市役所やクリーンセンターでの引き取りが必要ですからご注意ください。

 

自治体では、ごみの処分にかかる経費の削減が大きな課題です。これまでも、粗大ごみにクリーニングや補修を施して展示販売する自治体がありましたが、現地を訪れた人しか買えません。メルカリならもっと広範囲に発信できるうえ、保管スペースも手狭でOK。

 

購入する方も、全国の自治体の出品を見ることができ、自分の希望に沿った商品が選べます。

 

さらにごみ処分による二酸化炭素の排出量を減らすという社会課題に貢献できます。“一石三鳥”のよい取り組みではないでしょうか。

 

■2023年の“隠れ資産”は世帯平均で110.6万になります

 

さらに、広島県の三次市と安芸高田市が、興味深い実証実験を行っています。「不要品を出したくても運ぶのが難しい」といった声を受け、飲料の宅配を行うヤクルト山陽と協業。ヤクルトの宅配員が自宅を訪問したときに、不要品の回収を行うのです。

 

また、ヤクルトの営業所に不要品の持ち込み場所を作ったり、市に出された粗大ごみからのピックアップも加えて、ヤクルト山陽が市に代わってメルカリに出品します。

 

売り上げは自治体などと連携した社会貢献活動に利用され、不要品の持ち主には渡りません。自分でメルカリやリサイクルショップに売るとお小遣いになりますが、気心の知れた宅配員に不要品を託すだけで処分できることを、特に高齢者は喜ぶ人が多いようです。

 

メルカリでは、あるのに1年以上使わない不要品を売ったらいくらになるかを調査。“かくれ資産”として発表しています。2023年のかくれ資産は世帯平均で約110.6万円。50~60代の夫婦2人世帯だと約132.4万円です。

 

かくれ資産を売ることも粗大ごみに出すことも難しくなる前に、どう処分するかを考えましょう。

 

粗大ごみを出すにもお金がかかる時代です。元気なうちに、欲しい人に使ってもらう「リユース」の方法を探すといいと思います。

経済ジャーナリスト

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