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「リユース」が広がっています。中古市場を追う「リユース経済新聞」によると、2022年の市場規模は前年から7.4%増え約2兆9千億円。13年連続の上昇で、2030年には4兆円に達するという予測も。

 

注目したいのは中古品そのままのリユースに加え、中古品に染色などを施して販売する「リセール」に乗り出す企業の増加です。

 

たとえばユニクロは2001年からフリースの回収を始め、2006年から全商品を回収しています。当初は海外支援などにあてていましたが、2020年からは「RE.UNIQLO」として、ビンテージ風に染色したリメーク古着などを期間限定店舗で販売しています。今は東京と福岡の2店舗で8月末まで販売中。リメーク古着が2千円~、リユース古着は1千円~。

 

無印良品も2010年から衣料品の回収をスタート。2015年からは「ReMUJI」として、回収品を藍や黒で「染めなおした服」を販売。2021年秋からは「洗いなおした服」、パッチワーク風の「つながる服」を、現在27の店舗で販売しています。染めなおした服は1千990円、洗いなおした服は990円です。

 

「マッキントッシュ ロンドン」などのブランド品を扱う三陽商会も6月21日から、リユース品を「RE:SANYO」として販売。トップスは2千200円~、ボトムス4千400円、アウターでも7千700~9千900円など。なかには定価から9割引きの商品も。

 

■割安で家計にやさしく、環境にもやさしい行為

 

私が幼いころは毛糸のセーターをほどいて編みなおし、着用するのが当たり前。“もったいない”精神が浸透していました。

 

高度経済成長とともに大量生産、大量廃棄の“使い捨て文化”が席巻しましたが、今は“サスティナビリティ=持続可能性”が重要課題です。利益追求ばかりで環境を考慮しない企業は存続できないという危機感もあるのでしょう。

 

私たちにとってリユースやリセール品は、なにより割安で家計にやさしい。資源の有効活用や、捨てられ燃やされる過程で排出される二酸化炭素の軽減にも貢献できる環境にやさしい行為です。

 

とはいえ中古品の購入にハードルを感じる人は、使わなくなった衣料品を捨てずに回収に出すところから始めてみてはいかがでしょう。

 

ユニクロや無印良品などは回収ボックスがあるので、店員に気を使うこともありません。

 

オンワード樫山の古着回収は、自社製品限定ですが1点あたり500ポイントがもらえます。次に購入する際500円相当として使えます。

 

また、H&Mは他社製品も引き取ってくれます。袋に詰めて持っていくと1袋ごとに500円引きクーポンなどがもらえます(1日2袋まで)。ほころびがあっても洗濯してあればOK。回収時の検品もありません。

 

子や孫の将来にいい環境を残すため、身近なリサイクルから実践したいものです。

経済ジャーナリスト

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