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休みに旅行を計画中の方も多いと思いますが、JTBの調査によると、2024年の夏休みに1泊以上の国内旅行を予定する人は前年より4.2%減って6千800万人、費用も4.2%減って2兆8千560億円になるようです。国内旅行は、新型コロナの影響で旅行者を減らした’20年から回復傾向でしたが、4年ぶりに減少する見込みです。

 

旅行に行かない理由は、1位は「夏休み期間は混雑する」ですが、2位に「家計に余裕がない」、4位に「夏休み期間は費用が高い」と経済的事情が多いです。物価高に疲弊する家庭が多いのでしょう。

 

とはいえ、せっかくの夏休み。家計の負担を抑えながらも非日常が味わえる「グリーンツーリズム」を紹介します。

 

グリーンツーリズムとは、農山漁村地域で自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型レジャーです。ヨーロッパに多い農村でバカンスを過ごす風習にならったもので、日帰りで農産物の収穫や、農家に泊まる「農泊」などが体験できます。

 

たとえば群馬県では、8月にブルーベリーや桃、ぶどうなどの果物狩りや、キャベツやとうもろこしなどの収穫体験ができます。とうもろこし畑に作られた巨大迷路で遊んだり、宿泊は「農家民宿 亀久保ゆっこ」だと1泊2食で5千円、「まるみつ荘」は1泊3食で7千800円など、農泊は1万円以下が主流です。のんびり旅も、体験プラン多めのアクティブ旅も、自分好みにアレンジできます。

 

■愛媛県では漁業にもチャレンジできる

 

埼玉県ではブルーベリーやなしの収穫体験のほか、夏休みの自由研究にピッタリな端材を使った木工体験も。キャンプ場などが多く、夕飯はバーベキューなども楽しいでしょう。ふだんはあまり家事をしない夫や子どもに調理を任せるのもいいと思います。

 

目的地を住まいに近い場所から探せば、ガソリン代が高騰したなかでも交通費を抑えられます。

 

新潟県や秋田県のグリーンツーリズムで、日本の主食、米作りを学ぶのもおすすめです。春の田植えから秋の稲刈りまで一年を通して体験を重ねると、故郷のような人間関係も育まれると思います。

 

直売所などでとれたて野菜などをリーズナブルな産直価格で買って帰れば、家計も助かるでしょう。

 

グリーンツーリズムというと農業体験を連想する人が多いと思いますが、愛媛県では漁業にもチャレンジできます。釣り堀や船釣りに地引網、珍しいところでは、「ジゴク」と呼ばれる漁具をしかけて天然ウナギを捕獲し調理してうな丼を食べるという体験も。

 

その土地ならではの、観光旅行とはひと味違った体験が、グリーンツーリズムの醍醐味です。問い合わせは、都道府県、自治体などが作るグリーンツーリズムのホームページに連絡先があります。

 

実質賃金は26カ月連続のマイナスと、家計は厳しくなるいっぽうですが、たまには家計にやさしいグリーンツーリズムで気分転換するのも大切ではないでしょうか。

経済ジャーナリスト

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