■異常に電気代が高いときは、家庭内で漏電が起きているかも
「電気製品や配線コードには、電気が正しく流れるために、電気を通しにくい絶縁という物質で覆われている部分があります。その絶縁部分の劣化や損傷によって、電気が漏れ出すことで出火します。
しかし家庭内で漏電が起きると、ブレーカーの中でも『漏電ブレーカー』が落ちるのですが、古い住宅やマンションでは漏電ブレーカーが故障していたり、メンテナンスが行き届かなかったりして電気が漏れていることに気がつかないことも。
たとえ24時間エアコンを使っていたとしても、異常に電気代が高いときは、家庭内で漏電が起きている可能性があると考えたほうがいいでしょう」
とりわけ高齢者の場合は、住んでいる家屋に限らず、家電製品、配線設備などが古く、電気火災を招きやすいから要注意だ。
電気火災を防ぐためにも、たこ足配線をしない、コンセントまわりを清掃する、コードを束ねたり傷つけたりしない、などが重要なポイントになる。
■電源タップは3~5年で交換を!
「電気機器の正しい使用方法を守ること。電化製品の異常に気づいたら使用をやめたり、使用していない電気機器のプラグを抜いたりすることも予防策になります。
とくに、どこの家庭でもひとつはある複数の差し込み口がある電源タップには注意が必要です。電源タップをいつから使い始めたかわからないという家庭がほとんどでしょうが、長期間使用するとテーブルタップが発熱したり、コンセントプラグが溶けたり、コードがショートしたりして発火することも少なくありません。
電源タップが出火原因となった火災では、ホコリがたまることによるトラッキング現象が多く、定期的な清掃を心がけるとともに、劣化があるようならすぐに買い替えるようにしましょう」
配線器具の調査を行う日本配線システム工業会では、火事やケガが生じる恐れがあるため、電源タップの交換目安は3~5年と呼びかけている。不具合がないか、交換するタイミングを見極めたい。
■直接水をかけての消火は感電の恐れあり!
実際に電気火災が起きた場合の行動についても教えてもらった。
「通報して周囲に火災を知らせること。可能であれば初期消火を試みるところまでは通常火災と同じです。ただし、電気火災の場合は、水での消火はやめてください。
水は電気を通しやすいため、漏電している機器に直接水をかけると、水を通じて人体に電気が流れ感電する恐れがあり非常に危険です。
可能ならばブレーカーを落としたり、電源プラグを抜いたりしたうえで、普通(A)、油(B)、電気(C)の火災に対応している粉末ABC消火器を使うのがもっとも効果的な消火手段。初期消火の限界は炎が天井に達するまで。自らの安全を最優先にした行動をとるようにしてください」
これからの乾燥する季節を前に、今一度、家庭内の電化製品や電源タップを点検して備えよう。
画像ページ >【チェックリストあり】電源タップの漏電危険ポイント(他2枚)
