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バスやモノレール、船舶、レンタカーなど沖縄県内の交通機関を使った目的地までの経路検索がグーグルなどの大手検索サイトで可能となるよう、県は2018年度事業として、交通データの統一化などデジタル環境の整備に乗り出す。路線データなどを統一した基準に加工し、データを公開(オープン化)することで、単一のサイトやアプリで移動手段や時刻表といった交通情報が入手できるようにする。

 

一般的な検索サイトでは、電車やバス、自動車など複数の移動手段や組み合わせを提示しながら、目的地までの経路や所要時間、運賃などを案内する。だが、県内の交通情報はバスや船舶など各事業者が単独で案内していることが多く、複数の機関を乗り継ぐ場合などはそれぞれの情報を入手する必要がある。外国人旅行者は言語の壁があり、交通情報の検索で不満を覚えることが多い。

 

県は那覇空港から観光地までの移動を支援するため、県内の交通事業者の保有データを行政の事業として収集・整備する。集めた交通情報をグーグル社などで使用されているGTFSという仕様に加工し、さまざまな媒体で使える「オープンデータ化」を進める。

 

統一した基準によるデータを公開することで、言語に関係なくグーグルマップなどで沖縄の交通機関を使った経路検索が可能となり、民間企業によるアプリ作成などにつながる。

 

県は交通情報だけでなく観光情報についてのデータ整備を併わせて行い、検索内容の結果に沿った沖縄観光の情報を案内するなど、多様化する旅行客の需要を取り込み利便性の向上につなげる。県観光振興課は「目的地までの経路検索が容易になることで、バスなど公共交通機関の利用も増える。既存の観光地以外に足を運ぶ機会が増え、交通渋滞の緩和にもつながる」と期待を寄せる。

 

県はオープンデータ化や観光コースの提案を委託する業者の募集を始めている。業者は観光客のニーズを捉え、情報サービス提供に反映できるような運営体制を整える。

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