正殿跡に設置されたガラス張りの建物の四方から確認できる地下遺構=11日午前10時30分ごろ、那覇市の首里城公園 画像を見る

 

昨年10月31日に焼失した首里城の正殿跡や正殿地下の遺構など有料区域の一般公開が12日から始まる。それに先立ち、11日、地元関係者や関係団体、報道機関らに公開された。有料区域が一般公開されるのは火災後初めて。

 

沖縄総合事務局国営沖縄記念公園事務所と県、沖縄美ら島財団は当初、5月の大型連休前の一般公開を予定していた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、無期限で延期していた。県民や観光客が安心して見学できる環境になったとの判断から一般公開に踏み切った。

 

休園中、正殿の地下遺構に堆積していた瓦などを撤去する作業が行われていた。遺構を保護するための建物や見学する通路なども整備された。

 

11日は午前10時から報道陣に公開された。報道陣は泰神門から御庭エリアに入場。3月末の時点では御庭内の至る所に瓦などを入れた袋が山積していたが大半が片付けられていた。一部焼け跡が残っていた北殿などは撤去され、南殿、番所などは足場を整備するなど撤去に向けた準備が進んでいた。

 

世界遺産に指定されている正殿地下の遺構がある場所にはガラス張りの建物が整備された。遺構がそのままの状態で保存さがているのを四方から確認できた。

 

有料区域内には現状を伝える説明板が10数カ所設置されていた。

 

鈴木武彦沖縄総合事務局国営沖縄記念公園事務所長は「再建の状況に応じて通路や見ることができる地点は変わるが今後、復元が刻一刻と進む様子を見てもらいたい」と12日からの一般公開に向け多くの来場を呼び掛けた。

 

11日は午後から首里地域の自治会など地元関係者、観光、設計・工事関係者に公開される。

 

公開初日の12日は奉神門を開く儀式「御開門(うけーじょー)」が行われる。入場料金は大人がこれまでの830円から400円、高校生が630円から300円、中学生以下が310円から160円に改定する。

 

首里城公園管理センターは新型コロナ感染防止のガイドラインを作成、必要に応じて入館制限する。金銭の受け渡しはキャッシュトレーを使用する。

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