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「東京五輪ではチームの中心として活躍しなければ。今年はリオに出て、しっかりと経験を積みたいです」

 

日焼けした顔から白い歯をのぞかせて語るのは、女子ラグビー・リオ五輪日本代表候補の福島わさな選手(20・追手門学院大学)。6月12日に閉幕した女子7人制ラグビーの国内シリーズ「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2016」で年間MVPに輝いた注目株だ。銀行員の父・英明さん(52)と母・あきさん(50)の長女で、2歳上には兄がいる。

 

「父の仕事の関係でバンコクで生まれ、幼稚園の年中まで過ごしました。近所のとってもやさしいニューハーフのオネエさんに、かわいがってもらったのを今でも覚えています」(福島選手・以下同)

 

帰国後、ラガーマンでもある父の影響もあり、ジュニアのラグビースクール(大阪)に6歳で入団。

 

「何が面白かったか?……タックルで男子を倒していいところですね」

 

こう言って笑うが、当時女子選手は「いても、チームにひとりくらい」だったため、中学までは男子の試合に参加。実家を離れ進学した石見智翠館高校(島根)女子チームで頭角を現し、2年生のときにはU-18日本代表に選ばれて豪州遠征することに。しかしそこに「落とし穴」があった。

 

「出発前に足首をケガしてしまったんですが、『試合はフツーに出られるだろう』と思っていました。でも、ユニホームをもらえなかったんです」

 

ラグビーは、試合に出場する選手が監督から試合前にジャージを手渡される習慣がある。そこで渡されなかった(=選手を外された)ことで「考えが甘かった」と痛感させられた。以降は、自分を追い込むために練習量を増やし、’14年には女子7人制日本代表チームで国際試合に初出場するまでに成長した。

 

単身生活、メンバー落ち……電話やメールでそのときどきの心境を伝えてきた母にいま思うことは−−。

 

「家にいた中学まではしっかりした体づくりのために料理を作ってくれて、毎日、練習の送り迎えもしてくれた。その後は『黙って見守ってくれている』感じです。必ず五輪に出て、母がスタンドで、こっそり自慢できるような選手になりたいですね」