大坂なおみ支えた母との約束「世界一の娘になる」が原動力に
(写真:アフロ)

《日本人初の快挙!》

 

そんな見出しに日本が沸いた。全豪オープンで優勝を果たした大坂なおみ(21)。さらに、世界ランキングも1位に!いずれも日本人としては初めてのことだ。

 

現在、アメリカと日本の二重国籍を持っている大坂。いわゆる“ハーフ”の彼女はこれまで、何度も国籍やアイデンティティについて問われることが多かった。しかしそのたびに「私は私」と冷静なスタンスを崩さない大坂。その答えにたどり着くまでには、21年にわたる母と娘の二人三脚の日々があったようだ。昨年9月の四大大会・全米オープン初制覇の際、彼女は母・環さんと涙ながらにハグ。そしてこう語っていた。

 

「お母さんは、私のために多くの犠牲を払ってくれました――」

 

それこそが、彼女の芯となっていた。環さんを知るテニス関係者はこう語る。

 

「環さんがレオナルドさんと結婚する際、周囲からは猛烈な反対があったそうです。当時は今より国際結婚に対する理解が浅いところもありましたからね。ご両親も不安があったのでしょう。しかしそれでも環さんは姉のまりさん(22)となおみさんを出産しました。なおみさんが3歳になったころに一家で渡米しましたが、家計に余裕はなかったそうです。レオナルドさんはテニスコーチ、環さんも日系企業で働いてきました」

 

そのころ、環さんとレオナルドさんはウイリアムズ姉妹の試合を見て「娘たちを世界一にする!」と夢を抱くようになったという。そこから、家族での猛特訓の日々が始まった。

 

「なおみさんはジュニアの試合には出場せず、淡々とトレーニングに励んでいました。普通だと嫌になってしまいますが、彼女は弱音を吐きませんでした。それもすべては『お母さんとの夢を叶えたい』という思いがあったからなのでしょう」(前出・テニス関係者)

 

大阪は14歳でプロ転向し、早くも頭角を現し始めた。16年には4大大会に初出場を果たし、世界ランク100位に。昨年にはグランドスラムを制したが、世界ランキングで1位にはなっていなかった。そして今回、その頂上に登りつめたのだ。

 

「周囲が騒がしくなるのと比例するかのように、なおみさんはどんどんブレなくなりました。彼女はアメリカと日本とハイチにルーツを持つことに、誇りを持っています。しかし“どこの国籍か”とか“何がアイデンティティか”などよりも、もっと大事にしていることがあるのです。それは“世界一の娘になる”ということ。自分を犠牲にしてまで支えてくれた母・環さんに、頂上からの光景を見せてあげる。その約束を果たすことこそが、自分のできる親孝行だと考えているのでしょう」(前出・テニス関係者)