「今年は4月に熊本、10月に鳥取と、震度6弱以上の大地震が2度もありました。地震への経済的な備えには地震保険があります。地震保険は国と保険会社の共同運営です。保険料は法律で決まっていて、どの保険会社で加入しても同じです。ただ住む地域と、木造か鉄筋かといった建物の構造によって、保険料が変わります。また、地震保険単独ではなく、火災保険に地震保険特約を付帯する形で加入することも特徴のひとつです」
こう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。地震への経済的な備えとなる地震保険。だが、地震保険は来年1月に改定されるという。そこで、改定ポイントと併せて、お得に加入する方法を荻原さんが解説してくれた。
【1】引き上げ前の加入がお得
「来年1月には、多くの地域の保険料が上がります。値上げ率が高いのは、埼玉県の鉄筋住宅で14.7%など。年間保険料は、1万3,600円から1万5,600円に上がります(契約金額が1,000万円の場合、以下同)。こういった値上げ地域の方は、今年中、値上がりする前に加入するのがお得です」
【2】長期契約がお得
「保険料改定は今後も続きます。今回は平均5.1%の値上げですが、最終的には平均19%まで、3段階に分けて引き上げられる予定です。ならば保険料が安いうちに、できるだけ長期の契約でまとめ払いしておくとお得です。さらに長期契約には割引制度もありますので、ダブルでお得です」
【3】地震保険控除でお得
「地震保険は保険料控除の対象です。地震保険の保険料が所得税では年5万円まで、住民税では年2万5,000円まで控除され、税金が安くなります。年内に加入すると今年の控除に使えますから、早くにお得を実感できます」
【4】値下げ地域は短期で加入
「今回の改定では値下げもあります。愛知・三重・和歌山の鉄筋住宅は15.3%下がって、年1万7,100円になります。全部で12道府県の値下げ地域では、年内は1年、来年から長期で契約しましょう」
地震保険の加入は、支払う保険料と、被災時に受け取る保険金額、貯蓄額などを考え併せて、判断しよう。