「たとえば家族で、何か決めるとき、ひとたび姉妹が結束すると、父親の権力よりも強くなり、たやすく家庭内で意見が通ります(笑)。実は、そんな“姉妹力”が、今の日本には必要なんです」
そう語るのは、ベビーシッターサービス「キッズライン」代表取締役CEOの経沢香保子さん(43)。20代で起業し、’12年に東証マザーズに女性社長として当時最年少で上場した記録をもつ。小林麻耶&麻央や石田ゆり子&石田ひかりなど、今、芸能界でも最強の絆として注目されている“姉妹力”。経沢さんも“女性が輝く”社会を実現するためにも“姉妹力”に注目しているという。
「日本の社会で女性の活躍が遅れているのは、決定権をもつ女性の政治家や会社役員の人数が少ないこと。いくら声を上げても、圧倒的な多数派である男性の声にかき消されて、意見が届きづらいのです。しかし、女性1人だけの力では難しいことでも、一緒に声を上げてくれる人がいると違ってきます。まして、それが同性の家族だとしたら、より大きな力になります。それが“姉妹力”なのです」
また“姉妹力”は働く女性にとって、ときに癒しにつながるそう。
「活躍する場が増えれば、プレッシャーもストレスも多くなっていきます。しかし、友達や同僚には、簡単に弱音が言えないことも……。ところが、心身の状況がわかり合える姉妹だと、本音も言いやすくなるのです。また、ビジネスで女性が突き進めば、嫉妬や軋轢から、嫌な思いをすることも少なくありません。誤った噂が流されたり、ネットでマイナスなことを書かれたりすることもあるでしょう。そんなときでも、ありのままの自分を知っている姉妹なら、『そんなの気にしちゃダメだよ!大丈夫だから』と励まし合えます。そんな“最後の味方”がいることは心強いですよね」
メールやSNSにより、表面上の言葉だけでつながることが増えている現代社会で、本当に理解し合える人間関係を築くために、経沢さんの言葉は重要だ。
「働く女性には、これから先、姉妹のような関係が築ける真の理解者がいると心強いのではないでしょうか。女きょうだいがいない人でも、友達同士、刺激し合い、支え合う関係をつくるには、リスペクトし合うことが大切です。そんな“姉妹力”が、日本を変えていくのです」