都市ガス大手4社は3月のガス料金値上げを決定した。北海道電力は家庭向けの電気料金値上げを政府に申請するという。2大ライフラインの料金がじわじわ値上がりするのは避けられない。そこで節約アドバイザーの和田由貴さんに、最新の節約法を聞いた。

 

「まず電気料金については、現在の契約を見直してみましょう。必要以上に大きなアンペア数での契約になっていませんか?」

 

東京電力の場合、契約を50アンペアから40アンペアに下げると、1カ月の基本料金が273円安くなり、年間で3276円の節約だ。家庭内の機器の使い方は節約のポイントだが、その効果は機器によって差があるという。

 

「重点的に節電を心がけるべきは、冷蔵庫、エアコン、テレビ、照明器具。この4つが、家庭で使っている電気の半分程度を占めているんです」

 

冷蔵庫とエアコンについて、電気料金を下げる最大の方法は、ズバリ「買い換え」。もし10年程度、今の製品を使っているなら、省エネ性能に優れた新製品にしたほうが電気料金は安くなる。「もったいない」という考えのほうがムダを生むのだ。ちなみに、エアコンが電気を多く使うのは、暖房のとき。冷房にしか使っていないという家庭の場合、節約にならないこともあるので、気をつけて。

 

テレビは、こまめに消すのはもちろんだが、意外と気づかないのが「輝度」の調節だ。「購入したばかりのものは、輝度がいちばん明るく設定されていることが多いんです。そのまま誰もいじらず、使い続けている家も多いはず。消費電力に雲泥の差が出ます」(和田さん)。たとえば、42V型プラズマテレビの場合、輝度を最大から中程度に落とすと、年間約3390円の節約になるそう。

 

照明器具といえばLED電球。たしかに消費電力は大きく下がるが、まだかなり高価なため、ふだんあまりつけないような場所の照明にLEDを導入しても、かえってムダになってしまうこともある。「リビングのメイン照明など、長時間つける場所の照明から変えていきましょう。とくにダウンライト(天井に埋め込まれた小型の照明)は、最初に変えたほうがいいでしょう」(和田さん)

 

いっぽうガスについては、給湯器の使い方が鍵になるという。

 

「家庭でのガスの使用は、給湯器のお湯を使うときの消費が圧倒的に多いんです。なので、給湯器自体を省エネ性能の高いものに替えてしまうのもひとつの手ですね」

 

各ガス会社が売り出している省エネ型の給湯器は、従来のものと比べて年間約15,000円の節約になるという。お湯を使わないときには、給湯器のパネルの電源を切る習慣をつけるのも大切だ。現在、多くの家庭では水道のレバーの方向で水とお湯を切り替えるようになっているが、このレバーがくせ者。正面になっていると、使うつもりがなくてもガスが燃焼し、お湯になってしまう。

 

「毎日、お湯を使う時間を1分間減らすだけで、年間2700〜2800円程度の節約になります。そのためにも、給湯パネルはこまめに切りましょう」

 

正しい知識を身に付けて、家庭からムダを追い出せ!

関連カテゴリー: