楽しく、幸せなねことの暮らし。でも、不調やトラブルは突然やってくる。そこで、猫専門医の服部幸先生が、悩みをズバリ解決する「にゃうにゃう猫生相談」!今回も、悩めるねこからこんな相談が届いた……。
【Q】「僕は9歳のオスです。もういい年だからか、最近、体の調子がよくありません。そんな変化を飼い主さんはすぐ気づいてくれたのですが、おかげで定期的に病院に通うハメに……。子供のころから病院は大嫌い。この性格、何とかなりませんか?」
【A】「病院へ連れて行くストレスを軽減する工夫を」(服部幸先生)
基本的に、ねこは外出が嫌いです。動物病院ともなると、大嫌いというねこもいるでしょう。大きなストレスを感じたり、興奮したりしているねこは、診察もしにくくなります。
病院へ連れて行くストレスを軽減する工夫として、まずはキャリーバッグ選びを考えてみましょう。素材が麻などでできているものや、穴の開いたおしゃれなデザインのものは、爪がひっかかりやすい欠点があります。また布製のものは、おしっこやうんちの臭いが取れにくいです。こうしたキャリーバッグは人気ですが、ねこの通院には不向きかもしれません。
診察に便利なのは、プラスチック製で上下に分けられるようなタイプ。上を開ければ、出さずに診察することも可能です。サイズは、ねこが入って少しゆとりのある程度のものを選びましょう。大きすぎると安心できず、小さすぎると身動きがとれないという弊害があります。
移動中や病院の中では、バスタオルなどでバッグを覆って視界をさえぎり、落ち着かせてあげましょう。そのまま顔にバスタオルをかけ、触診することもあります。
また、複数飼いの場合、1匹を病院へ連れて行って戻ってくると、留守番ねことけんかになることも。病院や、ほかの動物のにおいがついているからです。タオルで互いの顔を拭ってにおいを付け合い、安心させるといいでしょう。