「現役医師として医療に従事する傍ら、民間伝承的な知識の真偽を検証していますが、医学の進歩・発展とともに、これまで常識と思われていた風邪に関する知識のなかには、実は医学的に間違って

いたと考えられるものに多々遭遇します」


と語るのは、医学博士で医療ジャーナリストの森田豊さん。おばあちゃんから教わった、あの方法は間違っていた?「日本の風邪民間療法」を、森田先生にチェックしてもらった。


〈風邪をひいたらねぎを首に巻くと治る〉


「ねぎの白い部分は漢方でも風邪に効果があるといわれています。辛み成分アリシンには血行促進や疲労回復効果もあり、葉の部分はβカロテンも豊富。ねぎが風邪に効果的な食品であることは間違いないですが、首に巻いても成分が皮膚を通して、血液中に吸収されるとは考えられません」(森田先生)


〈風邪をひいたら卵酒が効く〉


「お酒に含まれるアルコールは、粘膜を乾燥させたり、炎症を拡大させたりと、風邪にいいことはないです。寝付きをよくする程度の量ならともかく、多量の摂取はむしろ風邪による炎症を悪化させます。卵はタンパク質が豊富なので、以前は栄養補給に効果的と考えられていたのでしょう」

 

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