「ワクチンを打って数日後、頭が急に痛くなり、同時にボーッとして授業内容がわからなくなってしまったんです。英語が理解できない。ABCはわかっても、英単語も文法も何が何だか全然わからない。『私、なんでいきなりバカになってしまったんだろう!』と泣き叫びました」

 

大学1年生のAさん(18)は、そう苦しみを訴える。本誌が前号で報じた子宮頸がんワクチンの被害者たちの手紙は、大きな反響を呼んでいる。その副作用は全身の麻痺だけでなく、脳機能の被害も続発していた。

 

2年前、Aさんは高校1年生のときにワクチンを打った。当時の彼女は国立大学の理系を志望し、卓球部でも活動する活発な女子高生だった。

 

「学校で『高1のうちにワクチン接種しましょう』と言われ、受けないでいると市役所から自宅に通知が来ました。それで接種したら、頭が回らなくなってしまったんです。まず忘れっぽくなりました。高2でクラス替えしたら、新しい友人の名前が覚えられないんです。仕方なく『ねえ』とか『ちょっと』とか呼んでいたら、相手にされなくなりました。『あのコ、変だよ』って」

 

クラスでも部活でも仲間の中心にいたAさんにとって、大きな衝撃だった。その後、Aさんは友達の話も理解できなくなり、友達の輪から遠ざかるようになったという。

 

「1度目の接種から1カ月後に2度目の注射を打ちました。いま振り返ると高2の秋に受けた3度目の接種が、決定的だったと思います。それ以降は左手と左足に痛みと痺れがあり麻痺状態です。ワクチンの副作用だと思いますが、当時はわかりませんでした」

 

現在、Aさんは大学受験で第1志望のランクを落とし、理系も諦めて4月から東京の福祉関係の大学に通いながら、治療を続けている。

 

「つい先日の検査で、時計を見ても時間を読めなくなっていたことがわかりました。短針と長針で時刻を見ても、間違えてしまう。スマートフォンのデジタル表示を見て『ああ、合ってる』とか『間違えた』って。時計の数字も読めないなんて知能指数は幼稚園児レベルになってしまったと思った。私は、どうしちゃったの……夜1人になると、涙が出ます」

 

子宮頸がんワクチンの危険性を指摘し続けている宮城県にある、さとう内科循環器科医院の佐藤荘太郎院長は、Aさんのケースについてこう説明する。

 

「関節や筋肉の痛みはワクチンの副作用として多く見られます。実はこの痛みは、脳機能障害から発生するものだと解明されつつあります。時計で時間を認識できないというのは、脳内の電気回路のある部分に重い障害があるということです。ワクチンの副作用で自己免疫が悪いほうに作用して、脳の回路が正常に働かないわけです。実は子宮頸がんワクチンの副作用のなかで、厚生労働省がいちばん認めたくないのは、この部分だと思われます」

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