話題の「糖質制限」。いまやダイエットの主流であることは間違いない。しかし、学会などでもその是非をめぐって激しいバトルが勃発。先日も「糖質制限を5年以上続けると死亡率が高くなるようだ」という説が報道されるなど、議論は白熱している。

 

糖質制限したほうがいいのか、やめたほうがいいのか。情報が飛びかっていて、混乱してしまう!いったいどうすれば?そこで今回、順天堂大学教授・小林弘幸先生が、それぞれの言い分を比較、解説してくれた。

 

「まずは“反対派”。実は、日本糖尿病学会は昨年、『糖質制限食は勧められない』と表明しています。極端な糖質制限はタンパク質や脂質の過剰摂取を引き起こし、かえって太りかねないとのこと。2型糖尿病の発症リスクも上昇することを懸念しています。やはり、ダイエットについては摂取カロリーの制限が一番……というのが、反対派の見解です」

 

対して“賛成派”は、「糖質こそが肥満のもと」と主張!

 

「糖質を摂りすぎるとたくさんインスリンが分泌されますが、これが余った糖を脂肪に変えてしまうため、糖の摂取を控えましょうというのです。さらに、糖を使い果たすと人体は脂肪を分解し、“ケトン体”という代替エネルギー源を生み出すことに注目。『糖質制限こそが、痩せやすい体を作る』という意見です」

 

これに対し、反対派は「一時的にはダイエットになるかもしれないが、ケトン体がたまると疲れやすい体になる」と、一歩も引かない。ほかにも、「糖質制限による脂質やタンパク質の過剰摂取は、動脈硬化や腎機能障害の悪化にもつながる」(反対派)。「糖の過剰摂取こそが、糖尿病の原因だ」(賛成派)と、健康面への影響についても、意見が平行している。小林先生は、これらのことを踏まえた上で、次のような提案をする。

 

「糖質制限に関しては、過剰な摂取も制限もしないことが、もっとも現実的でしょう。そこで私がお勧めしたいのは、消化の遅い夜は糖質を控える代わりに、消化スピードの速い朝と昼は糖質OKにすること。同じ量を摂っても夜より太りにくいんですよ」

 

また、朝はすぐにエネルギーとなる糖質が1日のスタートを切るのに役立つという。

 

「私のお気に入りの朝食は卵かけごはんです。卵はすべての必須アミノ酸の必要量を満たす究極の栄養食!脂肪燃焼効果もあるうえに、腹持ちもいいのでカロリーの過剰摂取も防ぎます。なにより、慌ただしい朝でも手軽にいただけることが、魅力です(笑)」

 

朝食をきちんと摂ることは、代謝アップにも効果的!朝の卵かけごはんで、楽しく糖質制限をしてみては?

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