「歯の表面だけでなく歯周組織にも加齢現象はあります。たとえば歯ぐきの退縮、つまり歯肉が下がっていく現象は避けられません。ただ、加齢による生理的な退縮は10年で0.1ミリ程度ともいわれています。歯ぐき退縮の主原因は、力を入れすぎたブラッシングや、研磨剤を多く含んだ歯みがきペーストの常用なのです」
そう語るのは、岡山歯科医院院長で医学博士の岡山正明先生。年齢を重ねるとともに、歯の表面は黄ばみ、歯と歯の間が開いていくもの。食べ物のカスが詰まるなどで“歯の老化”を感じている人も多いのでは?黄ばんだ歯は清潔感がないばかりか、老けた印象にもなる。
だが、白さを求めるあまり、無闇に研磨剤を多く含んだ歯みがきペーストを常用することで、歯の老化が促進されることもあるという。
「研磨剤を多く含んだホワイトニング用の歯みがきペーストは、歯の汚れを落としているのではなく、歯の表面を削ることで下から白さを出しています。そのため歯の表面が削れて溝ができ、その溝に色素が沈着しやすくなってしまいます。歯みがきペーストは、研磨剤不使用と明記してあるものを選びましょう」(岡山先生)
研磨剤入りペーストを使うよりは、何もつけないでみがいたほうが歯のためには安全なようだ。また、くれぐれも力を入れすぎたブラッシングにはご注意を!