「米国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所が、肥満の19人(男性10人、女性9人)に行った調査結果で、体脂肪の減少に有効なのは『糖質制限』よりも『脂質制限』という結論を導きました。ここ最近は、炭水化物を制限する『糖質ダイエット』が一般化していますが、調査を主導したケビン・ホール氏は『糖質制限を支持する最近の流れに一石を投じるものだ』と語っています」
こう話すのは、順天堂大学医学部教授で自律神経研究の第一人者・小林弘幸先生。今回の調査が特有なのは、19人の対象者を入院させて、食事だけでなく運動まで、しっかり管理したこと。これまで個人の自己申告や体験に偏っていたが、より厳密に行ったことがポイントだ。
「この調査では、モニター19人が、2週間ずつ2回にわけて入院。最初に『脂質制限食』を、次の2週間で『糖質制限食』を摂取。それぞれ脂質、糖質を3割減らした食事を取り続けました。その結果、1日あたりの体脂肪は『糖質制限』では52グラム減ったのに対して、『脂質制限』では89グラム減だったというのです。ホール医師は『肥満治療には脂質制限のほうが重要』とも話しています」
そんな脂質の取込み制限を助けるダイエットの強い味方が、これからおいしくなるりんご。
「りんごには『ペプチン』という乳酸菌やビフィズス菌の増殖を促進する成分が入っていて、腸の働きを整え、痩せやすい体質をつくるのです。しかも、『ペプチン』は加熱すると増加します」
小林先生が勧める最強の脂質制限食が「焼きりんご」だ。その作り方は次の通り。
(1)りんごの皮ごと半分に切り、芯をスプーンでくりぬく。
(2)2枚重ねたアルミホイルで包みオーブントースター(1千ワット)で約20分加熱する。
ポイントは、砂糖の代わりにハチミツを、バターではなくオリーブオイルを使うこと。
「この『焼きりんご』の上に、ヨーグルトをかけて食べると、さらに効果的。これにコーヒーを添えてみてはどうでしょう。コーヒーには、コーヒー豆マンノオリゴ糖という、乳酸菌の働きを助ける物質が含まれています。ダイエットの基本は、やはり『快腸』から。心も体も温まるおいしいスイーツで、冬太りを防ぎましょう」