捨てないで!まだまだ役立つ「日食グラス」驚きの再活用方法

521日の金環日食の際の必需品として、日本中の家庭で購入した日食グラス。売り切れ店も続出し、輸入品も合わせると300万個以上が売れたことになるという。

次なる日食グラスの出番は66日の午前中、金星が太陽面を通過するのを観察するときだ。太陽の手前を金星が横切るので、ほくろのような黒い点が太陽の中を移動していくそうだ。だが、これでもう出番なしかと思ったら大間違い。日食グラスにはこんな使い方もあった。

【太陽の黒点が見える】
太陽の黒点は、表面の磁気の弱い部分が黒い点になって見える現象だ。1年に数回、その黒点が集まる巨大黒点が出現する。これは日食グラスを使えば肉眼でも見られる。天体専門誌『天文ガイド』の片岡克規編集長は言う。

「今回の金星の大きさより小さいので、視力0.8以上で乱視が強くない人なら確実に見えるはずです」

【海外の皆既・金環日食を見に行く】
「今年1114日にはオーストラリアで皆既日食が観測されます。幻想的で金環とはまた違った感動が味わえます。そのときも日食グラスは必須です」(片岡さん)

’13
510日にはオーストラリアやニューギニアで金環日食が、同年113日にはケニア・エチオピアなど東・中アフリカで金環・皆既日食が見られる。さらに’15320日はアイスランドで、’1639日にはインドネシアで皆既日食が起こる。その39日は、日本全国でも部分日食が観測できるのだ。

【スカイツリー横断を観測】
「日食グラスは太陽しか見えません。それを利用して東京スカイツリーの頭頂部を太陽が横切る場所を探し、その瞬間を日食グラスで見る。スカイツリーのシルエットを太陽が徐々に横切っていくシーンも感動しますよ」(片岡さん)

そもそも肉眼で直視するのは危険な太陽をじっくり見られるのが日食グラス。ごく普通の夕日が地平線に沈んでいく様子も、刻一刻と太陽が欠けていくのがはっきり見えて感動的なのだ。捨てるなんてもったいない!

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