長野・金沢間を結ぶ北陸新幹線の開業で、これまで行きづらかった北陸の観光スポットもぐっと近くなる。速達タイプの「かがやき」は、東京と金沢間をなんと2時間28分で結ぶが、思わぬ“結果”に落胆しているのが新潟県。

 

富山と金沢に加え、長野にも停車する「かがやき」だが、新潟の2駅、「上越妙高駅」と「糸魚川駅」には停車せず、素通りされてしまったのだ。

 

これには「各県1駅停車」を求めてきた泉田裕彦知事もがっかり。さぞ怒っているかと思いきや「北陸新幹線の車窓からも新潟の多彩な表情を楽しんでいただける」(泉田知事)と、前向きにアピール。さらに、「オンリーワンの風景に出合え、“うまさぎっしり”の新潟に来てみてください!」とのメッセージを届けてくれた。

 

そこで本誌は応援の意味を込めて、“無視された2駅”の魅力を紹介!

 

【上越妙高駅】

東京から上越妙高までは各駅停車の「はくたか」だと最短で約1時間50分。雪の残る駅周辺は、田畑が広がるのどかな雰囲気。新潟といえば、コシヒカリなどの米どころ。豊かな自然が育む山の幸に、日本海の幸も豊富な土地だ。

 

地の食材を生かした深い歴史を持つ料理や、店構えも風格を感じる老舗が駅周辺には多い。豊かな食文化から街の歴史を感じることができるのも魅力のひとつ。

 

ちょっと足を延ばしてみれば、上杉謙信公ゆかりの地や、125年の歴史をもつ「岩の原葡萄園」で、国登録有形文化財に指定された日本最古の石蔵などを巡ることができる。“美肌の湯”で名高い「神の宮温泉」は“絶世の美男子”といわれた上杉景虎が命を散らせた鮫ヶ尾城跡から徒歩30分。

 

【糸魚川駅】

日本海に最も近い新幹線駅糸魚川に降り立つと、すぐ出合えるのが、駅前商店街「ヒスイロード」の入口で出迎える奴奈川姫像。奴奈川姫は、『古事記』に登場する美しく賢い女神。ここ糸魚川に恋愛など数多くの伝説を残しているそう。

 

ヒスイロードの入口には、ヒスイの原石が飾られている。これは糸魚川市が日本唯一のヒスイの産地であるから。近くのビーチで天然のヒスイを見つけることもできるとか!古来“不老不死”の霊力があると信じられているヒスイ。もしかして街全体がパワースポットなのかも!?

 

温泉も大地のパワーをチャージできる癒しスポット。自然公園「ジオパーク」に指定されている糸魚川温泉は、地底の深くに横たわるフォッサマグナ(大きな溝)から湧き出す化石海水が源泉。駅前の「ヒスイ王国館」は、足を延ばせなかったエリアの特産品も手に入るので、新幹線の待ち時間を有効に使ってお土産をゲットしてみては?

 

歴史を肌で感じ、街歩きで運気を上げる上越妙高と糸魚川の旅。各停でも“わざわざ”行ってみる価値アリ!

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