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早くもピクサー史上最高傑作との呼び声高いアニメーション映画『インサイド・ヘッド』(7月18日公開)。見た人の頭の中でもヨロコビとカナシミが大活躍する、そんな素敵な作品だ。

 

ところで、「ピクサーとディズニーって何が違うの?」という疑問を持つ人も多いだろう。ひと言で答えるなら、以下が模範解答。

 

「まったく別のアニメーション制作会社だが、ピクサーの作品はすべてディズニーが配給しているので同じと誤解されている」

 

ピクサーの歴史は吹けば飛ぶような小さな独立系企業が、世界一のエンタメ帝国ディズニーと肩を並べるまでに急成長を遂げたサクセスストーリーだ。そこには3人の創業者の強い意志があった。

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1人目は「全編CGアニメーションの長編映画を作る」という夢を持ち続けたエド・キャットムル。この学者肌のCG研究者は、3Dアニメーション界にさまざまな技術革命を起こすが、一番の偉業は天才アニメーターを見いだしたことかもしれない。

 

それが2人目、ジョン・ラセターだ。ディズニー・アニメーション・スタジオを解雇されたばかりの彼をキャットムルはすぐさま仲間に誘い入れる。もともと3Dアニメーションの世界に可能性を見ていたラセターは、次々に革新的な短編作品を発表し、ピクサーの技術力を対外的にアピールする役割を担った。

 

忘れてならない3人目が今は亡きスティーブ・ジョブズだ。自らが創設したアップルを追放された彼は、まだルーカスフィルムのグラフィック部門だったピクサーを買収し、新会社を設立。以後、10年近く莫大な金額を投じて辛抱強くピクサーの経営を支え続けた。

 

夢をあきらめない彼らの執念はついにディズニーを動かし、独占配給契約にこぎつける。こうして世に出た『トイ・ストーリー』は批評家から絶賛され、その年最高の興行収入をたたきだした。それ以降もピクサー作品は連戦連勝、出せば必ずヒットするという不敗神話が生まれた。

 

’06年、ディズニーがピクサーを買収、ラセターが両社のクリエイティブ部門のトップを兼任すると、低迷していたディズニー・アニメーションがV字回復。ピクサー哲学の偉大さが証明された瞬間だった。

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