ここ最近、よく話題に挙がる「男性はげたを履かせてもらっている」説。今夏発覚した東京医科大学の不正入試問題では、男子学生に加点するいっぽうで、女子学生は減点していたことが明らかになった。
平成も終わろうとしているこの時代に、「男性にげた」どころか、いまだに女性というだけで「逆げた」を履かされる残念なニッポン。そんな「逆げた」の存在について考えるときに見過ごせないのが、女性にだけ訪れるアレ――。そう「生理」だ。
女性活躍がしきりに叫ばれるいっぽうで、「出産」という生命の一大イベントと密接に関わる「生理」は、「逆げた」の大きな要因になっているにもかかわらず、なぜかタブー視され続けている。
あまりに身近な存在のため女性自身も無自覚になりがちだが、その苦労を女性が「自己責任」であるかのように背負わされ、男性は「知らなくて当たり前」とされるのはいったいなぜ? 改めて考えると「シンプルに不思議」!
これからの時代に、女性はもちろん、男性も知っておきたい「生理」のこと。
千年以上も前から「血は穢れ」とされてきた歴史を思えば、男性の生理に対する無理解は仕方のないことかもしれない。とはいえ、このまま知ろうとしないのは、パートナーだけでなく、職場の仲間である「女性」に対する理解の放棄だと言えないだろうか?
自らの意思とは無関係に訪れる「生理」を「穢れ」と見なされる女性の心情について、単純に「自分がそれをされたらどう思うか」、まずは考えてみてほしい。まして生理は、出産に関わる大事な現象で、生理があるからこそ、人は生まれてくるのだ。
最近では男性発信の「生理コンテンツ」も続々登場しているので、ぜひ活用をすすめたい。なかでも漫画『生理ちゃん』(小山健・著/KADOKAWA)は、これまで語られることのなかった生理にまつわるさまざまな「つらさ」に向き合った意欲作。ウェブメディア「オモコロ」で連載され評判となり書籍化。現在累計900万PVを超えるヒット作となった。
また、お笑い芸人のマキタスポーツも、男社会に育った経験を交えたコラム「男が女性の生理問題にトンチンカンなのには理由がある」を「AERA dot.」に寄稿。
さらに、ジャーナリストの鈴木大介は、「お妻様」と称する自身の妻の布ナプキンを毎月手洗いしているというコラムを「現代ビジネスオンライン」に掲載した。
こちらは「大人の発達障害」である妻の不調の波を理解するために始めたそうなので、同じことを実践するかはともかく、生理のつらさを垣間見る意味で一度読んでみてほしい。
全部を読了できたなら、生理の正体が多少なりともわかるはず。何より、「知ろうとする」その姿勢こそが、女性の心を癒すのだ。