今年も1等・前後賞合わせ10億円が当たる、年末ジャンボの季節がやってきた。年を取って経験を積んでいるからこそ見えてくる宝くじの真実がある――。そんな「億売り」実績のある名物じいさんが運気に「喝」。老賢人の名言、刮目して見よ、そして売り場に走れ!
「最初は全然当たりが出なくて、どうしようかと思いましたよ。それが35年ほど前、たまたま常連のお客さんが100万円を当てて、『お裾分け』と1万円をいただいて。無駄に使ってはいけないと思い、近所の古道具店で布袋様の木彫りの像を購入したんです」
そう当時を振り返るのは、静岡県「マスミ」の中村紀雄さん(78)。ジャンボ1等53本を出している浜松市の人気売り場だ。
本誌では、億実績のある売り場から、名物じいさんを発掘。親愛の念をこめて「億じい」と命名し、億招きの心得を聞いた。
「不思議なことに、布袋様を店頭に置いたところ、それから11年連続ジャンボ1等。まさに神がかりでしたね」
紀じいが忘れられないのはいまから10年前の正月。
「換金期限ぎりぎりの前年の年末ジャンボのくじを1枚握りしめて、60代後半の男性が売り場にやってきたんです。決して身なりもいいとは言えない男性のくじを確認したら、2等1億円の当たりくじ。その人が『離婚をして必死で一人娘を育て、娘に苦労をかけてきた。これで娘に家を買ってやれる』と男泣きしてね。大当たりというのはやっぱり苦労したことへのご褒美かと、身に染みましたよ」
つぎに紹介するのは福岡県「平松屋」の店主・勝じいこと平野勝三さん(75)。20代半ば以来、宝くじ販売歴は50年以上だ。
「一言でいうと、億招きのコツは日々善行を積み重ねるべし、だと思います。常連さんで10年ほど前に100万円を当てた70歳くらいの男性がいるのですが、その方いわく『なにかよかことせんと、当たらんよ』。ゴミ拾いでも人に優しくするでも親孝行するでも、なんでもいいと思います、世の中や人のために何かする。小さなことでもいい、それを積み重ねていく。その方はいまも、地域の清掃や小学校の登校時の立ち番などをよくされています。そうしてこそ、幸運の女神がおりてくるんじゃないでしょうか」
長年、その目で億万長者の誕生を見続けてきた「億じい」だから語れる億招きの格言。ぜひ年末ジャンボ購入時のヒントにしてみては?