体の冷えや冬太り、インフルエンザや花粉症などなど、体調管理には何かと苦労する季節……。そんなときには、しょうがの出番です! 発酵でおいしくなれば、毎日無理なく食べることができますよ。
「発酵しょうがも、10年ほど前から愛用しています。たまねぎほど変化(発酵)しませんが、香りとうまみは格段に上がり、料理にひとさじ足すと味が深まります。また、しょうがって少量しか使わないのに、そのつどおろしたり切ったりするのって面倒ですよね。発酵させてしまえば保存がきくので、まとめてつくっておくと重宝しますよ」
そう語るのは、昨年9月『女性自身』発の好評企画「発酵たまねぎ」の発案者で天然酵母にこだわるパンの店「はつたもの」店主の増島智子さん。増島さんが今回、紹介してくれたのが「発酵しょうが」。鍋に加えたり、ホットドリンクに加えたり、冷え性改善にも役立てているそう。
そんな「発酵しょうが」の作り方はいたって簡単。煮沸したビンを半日ほどかけて乾燥させ、その中によく洗って水けを拭き、皮ごとすりおろしたしょうが(せん切り、みじん切りでもOK)を入れて、冷蔵室で2週間ほっとくだけ。
しょうがには日常的にうれしい効能のほかに、冬にうれしい効能がたくさんある。
■日常的にうれしい効能
【認知症を予防する】
「ショウガオール」には、アルツハイマー型認知症の原因物質のひとつであるアミロイドβの沈着を防ぐ作用も。認知機能の低下を予防したり、遅らせたりする働きが期待できる。
【糖尿病を予防する】
「ジンゲロール」は腸での糖の吸収を遅らせ、糖尿病の原因になる血糖値の急上昇を防ぐ効果がある。また、「ショウガオール」にはインスリンの働きを正常化させる作用も。
【がんを予防する】
大腸がんの前がん状態で、腫瘍の増殖阻止実験が行われるなど、「ジンゲロール」と「ショウガオール」にはがん細胞の増殖を抑えたり、死滅させたりする働きも報告されている。
【美肌作用がある】
「ジンゲロール」と「ショウガオール」には、シミやそばかすの原因になるメラニンの生成を抑える働きも。また、紫外線による皮膚ダメージを緩和し、シワを防ぐ効果もある。
■特に冬にうれしい効能
【体を芯から温める】
「ショウガオール」には腸周辺の血流を増加させる作用があり、体を内側から温めることができる。また、発熱量が高まるため手足の先まで温かくなり、その持続効果も確認されている」
【感染症を防ぐ】
「ジンゲロール」と「ジンギベレン」には、ウイルスが細胞に付着したり、体内に侵入するのを防ぐ効果が期待できる。また、細菌や寄生虫を死滅させる働きもあり、感染症予防に役立つ。
【アレルギーを改善する】
「ジンゲロール」や「ショウガオール」には炎症を引き起こす物質を抑え、症状を緩和させる働きがあるので、花粉症に悩まされる時期には効果的。特に緑茶(煎茶)と一緒に摂るとよい。
【過剰な体脂肪を減らす】
しょうがには脂肪の吸収を抑制する働きがあるので、冬太り解消にも。内臓脂肪や皮下脂肪の分解を促進し、中性脂肪、悪玉コレステロール、肝臓脂肪の減少にひと役買ってくれる。
【高めの血圧を下げる】
しょうがには血管の収縮を抑える成分が含まれ、血圧の上昇を抑制。また、血液サラサラ作用も。結果、高血圧や動脈硬化などによる重とくな心血管病の予防効果が期待できる。
しょうがに詳しい、医学博士で食品医学研究所所長の平柳要先生は次のように話す。
「しょうがにはさまざまな健康効果がありますが、体を芯から温める成分の『ショウガオール』は加熱によって生まれます。その効果を期待するなら、必ず加熱調理して食べましょう」