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その肌の不調を治したいのなら、化粧品やスキンケアを変える前に食生活を見直すことが先決です!

 

「クリニックを訪れる40代、50代の女性は、ほぼ全員といっていいほどキメが荒れていて、肝斑なのか、くすみなのか、シミなのか……茶色の濃淡に赤みが合わさったような肌色で、ブルドッグのように皮膚が伸びてたるんでしまっている人が大勢。こじらせまくった、という感じです」

 

そう話すのは、あいこ皮フ科クリニック院長の柴亜伊子先生。美容情報があふれている昨今、マッサージや美顔器のしすぎが逆効果、というのも一理あるようだが……。

 

「なにより問題なのは、毎日の食事。肌をつくるタンパク質、特に動物性タンパク質である肉・魚・卵を食べずに、お菓子やパン、パスタの糖質ばかりという人が目立ちます。栄養状態が悪いため、皮膚がスカスカというか、フニャンフニャンというか。まったくもってハリがありません。10年前と比べると一見みなさん若い雰囲気ですが、肌年齢自体は老けている、という印象です」

 

また、40代の肌というのは、20代のころと比べると、単純に倍の年月の紫外線を浴びてきている。

 

「そのぶん、光老化が進んでいることになります。紫外線の害はある程度、体内の鉄分が防いでくれますが、やはりこれも食事から摂取できていない人が非常に多い。そればかりか、20~30年分の月経による鉄分の流出があるため、どんどん紫外線に負けやすくなっています。さらに、鉄分がないとコラーゲンをつくることができないため、ますますシワやたるみがひどくなって--まさに悪循環といえます」

 

では具体的に、どんな食生活をめざせばよいのか。柴先生が、意識的にとりたい“タンパク質”食材を教えてくれた。

 

【牛肉】

「美肌に欠かせない栄養素(タンパク質、鉄や亜鉛などのミネラル、ビタミン類)をバランスよく含んでいるので、とりあえずこれを食べていれば、というほど王道。でも、いきなりステーキはハードルが高いので、脂肪分の少ないミンチで作った料理や、薄切り肉をひと口、ふた口から始めてみて。霜降りなどの脂には大量の消化液が必要なので、人によっては消化できずに下痢をしたり、気持ち悪くなったり……必ず赤身肉で。また、赤身肉はかたいので、煮込むのがおすすめ。すね肉でもホロホロになり、食べやすいですよ」(柴先生・以下同)

 

【レバー】

「タンパク質はもちろん、鉄分がとても豊富。牛でも鶏でもいいけれど、いちばん栄養価が高いのは豚で、1回につき100グラム(手のひらからあふれない程度)とるのが理想です。ただ、好き嫌いが分かれる食材なので、最初は無理なく食べられる量から始めてみて。と言いつつ、焦がしてでも、タレにどっぷりつけてでも、飲み込んででも……というくらい食べてほしい食材ではあります」

 

【カツオ】

「タンパク質のほか、魚の中では鉄分が断トツ。理想は刺身やたたきなどの生食で、いわゆる市販の刺身1パックを1人でペロリと食べていいほど。苦手な人はマヨネーズやにんにくと一緒にいただくか、それも無理な場合は、かつお節やかつお節粉をサラダやごはん、みそ汁などの料理なんにでもかけて。常温で持ち運べるのも便利です」

 

【その他】

豚肉、カモ肉、ラム肉、鹿肉、馬肉、ハツ、釜揚げしらす、ちりめんじゃこ、食べる煮干し、煮干し粉。

 

「ブリやサケは血合いの部分も、シシャモやサンマはワタも食べたほうが好ましいですね」

 

柴先生はこれらの“タンパク質”食材を、“タンパク質”の消化を助ける食材を一緒にとることもすすめている。“タンパク質”の消化を助ける食材は次のとおり。

 

【大根】

「ジアスターゼという成分が消化を助けてくれます。作用をそこねないよう加熱はせず、大根おろしなど生でいただくのがポイント」

 

【レモン】

「食前のすっぱいものは唾液や消化液の分泌を促し、消化を助けます。肉や魚に搾ったり、水に少量搾ったレモン水を飲んでおくのもいいでしょう。また、梅干しや酢を使ったつけ合わせがおすすめです」

 

【塩麹】

「肉や魚を漬け込んでおくと、麹菌が生み出した消化酵素によって肉質がやわらかくなります。またはソースをつくる際、砂糖の代わりに塩麹や生甘酒を使うのも有効です」

 

食生活を見直し、くすみのない弾力肌を取り戻そう。

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