7月になり、夏の海外旅行を計画中という人も多いのでは? 海外旅行には「海外旅行保険」がつきものだが、エポスや楽天などの年会費無料のクレジットカードに付帯していることも多いそう。そんなクレカに無料でついている「海外旅行保険」の賢い使い方を、経済ジャーナリストの荻原博子さんが教えてくれた――。
海外旅行には「海外旅行保険」がつきものです。というのも「ハワイで盲腸になったら200万円~300万円かかる」といわれるほど、医療費の高い国が多いからです。
それならと、AIG損保でハワイ1週間旅行の保険を申し込むと、保険料は約6,000~9,000円。“お守り代わり”には高い気がします。
実は、年会費無料のクレジットカードにも、海外旅行保険付きのものがあります。保険料も無料ですが、補償は十分なのでしょうか。
海外旅行保険には死亡保険金以外に、ケガや病気の治療費、病人を迎えに行く救援者のための費用、商品を壊したときなどの賠償費用などが補償されます。なかでもよく利用されるのは治療費です。
先のAIG損保なら、治療費補償はもっとも安いプランで2,000万円、高いプランだと無制限です。
いっぽう「エポスカード」の付帯保険では、ケガの治療費補償が最大200万円、病気だと最大270万円。「これで安心」とは言えませんが、海外旅行保険は死亡保険金などを除いて、補償を合算できるのです。
たとえばもう1枚「楽天カード」を持っているとしましょう。楽天カードの海外旅行保険は、ケガ治療、病気治療ともに200万円まで補償されます。病気のときには、エポスカードの270万円と楽天カードの200万円を合わせて470万円の補償が利用できるというわけです。
気をつけてほしいのは、クレジットカードの海外旅行保険には、自動付帯と利用付帯があること。
エポスカードは自動付帯なので、カードを持つ人なら誰でも保険が適用されます。事前の手続きもいりません。
ですが楽天カードは利用付帯で、こちらが主流です。利用付帯の場合は、旅行代金などをそのカードで決済すれば保険が適用されます。ツアー代のほか、日本出国前の空港までのリムジンバスや電車代なども旅行代金とみなされるので、忘れずカードで払いましょう。
まずはお持ちのクレジットカードに、海外旅行保険が付帯されているかを確認してください。次に、自動付帯か利用付帯かを調べ、さらに、補償の合算額を計算します。
そのうえで、合算した補償額に不安がある方には、必要な補償だけを追加できる保険もあります。
たとえば、損保ジャパン日本興亜の「新・海外旅行保険off!」。治療費補償500万円だけの加入なら、保険料は1,450円(ハワイ1週間旅行の場合)。手ごろな保険料で、補償額を上乗せできます。
最後に、日本には、海外で医療を受けたときの診断書や領収書などを提出すると、支払った医療費の一部が返金される「海外療養費制度」があります。
ただ、診断書などは翻訳が必要ですし、日本で同じ治療にかかる費用が基準になるため、返金されても、実際の負担額には及ばないことも。とはいえ念のため、診断書はもらっておきましょう。
保険料をできるだけ抑えて、お金は楽しいことに使いたいですね。