「日本人の平熱は60年前より1度ほど下がりました。これが、アレルギー疾患や生活習慣病が増えた原因のひとつだと考えられます」
そう話すのは、体温と健康の関係に詳しい石原新菜先生。なぜ平熱が下がったのか、そして、そもそも平熱とは何度なのだろう。
「私たちの体がいちばんよく働く体温を平熱といい、36.55~37.23度が理想的。これはわきの下で測った場合で、口内だと0.5度ほど高く測定されます。測るタイミングは、朝10時がいいでしょう。平熱が下がった要因は、おもに食や生活習慣の変化とストレスです。平熱が低いと血流が悪化して免疫力が下がり、さまざまな不調が起こります。特に女性は低体温の人が多く、35度台の人も。まずは、36.5度をめざしましょう」
【平熱36.5度以上にするメリット】
■血流がよくなる
血管が広がって血流が良好に。これで体が冷えにくくなるので、理想の平熱を保つよいサイクルが生まれる。
■代謝が上がりやせる
体温が1度上がると基礎代謝は約12%も増加。代謝が上がれば血液に老廃物もたまらず、さらに太りにくい。
■免疫力が上がる
体温が1度上がると免疫力は通常で約30%アップし、運動や入浴後などは、一時的に5~6倍にもなる。
■便秘が改善される
腸の動きがよくなり、腸内環境が改善。下痢対策にもなる。腸に限らず、あらゆる内臓の働きがよくなる。
■「高」のつく生活習慣病の緩和
血液中に余分な脂肪などの老廃物がたまりにくくなり、高血圧、高脂血症、高コレステロールなどの予防に。
■美肌、美髪などの美的効果
血流がよくなれば体の隅々まで美的栄養成分が運ばれ、美を阻害する老廃物は排出され、新陳代謝も上がる。
じつは石原先生も、低体温による不調に見舞われたことがある。
「研修医時代に、不規則な生活とストレスで体重が10キロも増えて生理も止まりました。医師である父に相談したら、腹巻きが送られてきて、体を温めなさいと。入浴と食事の改善で1年で戻り、以来、冷えを取る生活を続け、今は37.2度。体形も維持しています」
「女性自身」2020年2月25日号 掲載