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生きものたちを世話する飼育員のひたむきな姿が“イケメン”だと、Twitterでバズりまくっている桂浜水族館! ちょっと変わったマスコットキャラクター“おとどちゃん”は、実は現在『小説宝石』でもエッセイを好評連載中。歯にきぬ着せぬ、しかしあたたかな語り口で大人気のおとどちゃんに、水族館を紹介してもらいましたーー♪

 

■“高知の恥”からの起死回生ヒストリー

 

桂浜水族館は、高知県高知市の名勝「桂浜」の浜辺に建っている小さな水族館だ。

 

昭和6年、初代館長である永國亀齢が地元の友人に働きかけ、機船底引き網でとれる土佐湾の種々の魚を生かして見せる水族館と釣堀を開設したことから歴史が始まった。台風被害や太平洋戦争、来館者の激減に重ね、職員の一斉退職という大きな事件も起きた。

 

「高知の恥」と言われ、地元民から嫌われ者となった桂浜水族館は、このままではいけないと創業85周年を迎える折、「なんか変わるで、桂浜水族館」をスローガンに、起死回生を図った。

 

文芸誌が異例の売れ行き!桂浜水族館おとどちゃんエッセイ
画像を見る 生きものとの距離が近く、飼育員同士も仲良し

 

その一環として生まれたのがマスコットキャラクター「おとどちゃん」である私だ。新しく集まった仲間たちで団結し、若い力を駆使して積極的にSNSの活用を始めると、型や枠、常識にとらわれない切り口が面白いと次第に評価されるようになった。

 

それまで水族館や動物園では、魚や動物にしかスポットが当たっていなかった。だからこそ私が担当しているTwitterでは、飼育員という存在にフォーカスを当て、飼育員と生きものの日常を発信し続けた。

 

テレビやネットでも注目されるようになり、日本だけでなく世界からも愛されるようになった。地元の人たちも「桂浜水族館なんか変わったな」と笑ってくれる。

 

そうしているうちにいつからか「イケメン飼育員」として話題になるようになったのだが、まあ、ある意味間違ってはいない。彼らが生きものに向ける愛や表情、いのちと向き合う姿勢は、日本一イケている。

 

今年4月に創業90周年を迎えるこの水族館は、今日もなんか変わっていて、日本一イケているのだ。

 

「女性自身」2021年3月2日号 掲載

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