「ナッツは栄養豊富で、美肌効果や記憶力改善など、さまざまな健康効果があることが広く知られるようになってきました」
そう話すのは、工藤内科院長で、東洋医学・漢方医でもある工藤孝文先生だ。工藤先生がとりわけ注目するナッツはクルミ。
「毎日1つかみのクルミを摂取することが、認知機能の向上につながると研究でわかっており、認知症予防が期待できます。とくに最近は、1年以上続くコロナ禍において、物忘れに悩む人が増えています。自粛生活の中でのコミュニケーションの減少、不安や緊張によるストレスの増大で脳に負担がかかっていることなどが原因です。物忘れが多くなったと感じている人は、クルミを食べる習慣をつけてみては」
そんなアンチエイジング改善が期待できるナッツの効果を紹介!
■カシューナッツ
「貧血に効果的な鉄分と銅が豊富。牛乳に含まれる成分が鉄分の吸収を高めてくれるので、一緒に取るのがおすすめです」(工藤先生・以下同)
また、自律神経を整える働きのあるパントテン酸や、抗炎症効果、免疫機能を高める効果が期待できる亜鉛も多く含まれる。
■クルミ
ナッツの中でもっとも多いポリフェノール量を誇り、抗酸化作用は抜群。認知症予防効果も。
「血圧や中性脂肪値を下げる効果のあるαリノレン酸が豊富で、血管を若く保ってくれます。血管の老化は全身の健康に影響するため、人生100年時代には血管力が重要です」
■ピーナツ
抗酸化作用のあるビタミンE、血管の健康に重要なαリノレン酸、記憶力や認知機能アップに効果のあるレシチンなどが含まれる。
「渋皮にはレスベラトロールというポリフェノールが含まれており、アンチエイジング効果が期待できるので、渋皮ごと食べましょう」
■松の実
亜鉛の量はナッツ類の中でも、トップクラス。アレルギーや炎症を抑制する働きのあるピノレン酸が含まれるのも特徴。
「骨の健康を保つのに必要な栄養素であるビタミンK、マグネシウムが多く含まれるので、積極的に取れば骨粗しょう症対策にもなります」
■アーモンド
「抗酸化作用のあるビタミンEが多く、アンチエイジングに力を入れている人にぴったりです。不溶性食物繊維を多く含むため腸内環境の改善効果があり、便秘解消も期待できます。ほかにも、自律神経を整えたり、血糖値を下げる作用もあります」
■ピスタチオナッツ
目の調子を整えてくれるルテイン、ゼアキサンチン、視覚機能に関与するビタミンAと、目をサポートする成分3つがそろうナッツ。目の疲れを感じたときに取り入れて。
「体内の水分の排出をサポートするカリウムを多く含むので、むくみ対策としても有効です」
■マカダミアナッツ
「肌のハリとツヤを出すパルミトレイン酸が含まれる美肌に効くナッツ。腸の蠕動を促すオレイン酸も含まれるので、便秘解消により腸内環境が改善され、さらに美肌効果を高めてくれるでしょう」
エネルギー代謝を上げるマグネシウムが豊富で、ダイエットにも◎。
「ただし、ナッツは、体調によりアレルギーを起こすこともあるので注意を。花粉症の人はヘーゼルナッツでアレルギーを起こすことがあります」
「女性自身」2021年4月6日号 掲載