「一昨年、世の中がコロナ禍で一変する前に熱海に移住しました。ここに住むようになってからは、生活も一変。自家農園で野菜をつくって料理を楽しんだり、ご近所の方からおすそ分けをいただいたり。自給自足とまではいきませんが、自分のことはできる限り自分でする生活の中で、等身大で生きていることを実感しています」
こう晴れ晴れと話すのは、本誌でもおなじみ、スピリチュアリストの江原啓之さん。静岡県熱海市に移住後は、現地での縁を大切にしながら新生活を満喫。4月からは沼津市の「燦々ぬまづ大使」に就任するなど、静岡に根付いた暮らしを楽しんでいる。
そんな江原さんは、最近、都会から地方へ移住する人が増えている状況についてこう分析する。
「日本を未曽有の混迷に陥れたコロナ禍ですが、この機を“人生をリセットし、新しい自分に生まれ変わるチャンス”ととらえた人も多かったのではないでしょうか。緊急事態宣言下でリモートワークが浸透したこともありますが、そうしたシステム的な要因より、たましいが求める生き方に一歩踏み出す人が増えたということ。そして地方移住とは、家での時間に重点を置く生活への転換でもあります。つまり、“競い合う”時代であった昭和は遠くなり、家族で力を合わせて“生き抜く”時代になったと言えるでしょう」
いわば、人生を仕切り直す「リセット移住」。その際、気をつけるべきことについてはこう語る。
「大切なのは、“心の体力”と相談することです。移住先での人間関係など、人によってはストレスになることも多く、精神的に不安定な状況ですべき選択ではありません。もし、自信がないようなら、週末だけ地方で暮らす2拠点生活から始めましょう。そうして、徐々に“心の住み替え”を進めていけばいいのです」
「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載