肩こりや腰痛で体はダルいし、気分もどんより。そんな不調に悩んでいる人も多いだろう。
「多くの不調は、リンパの流れが滞って詰まってしまう“深部リンパ渋滞”が原因です」
そう話すのは整体師の永井峻先生だ。約10万件の“病院で解決しない悩み”に施術を行ってきた。
「リンパは酸素や栄養素、免疫細胞などを全身に届け、同時に老廃物など体のゴミを回収しています。リンパのゴミ回収能力は最大で血液の20倍! だから詰まると、リンパは“汚水化”して体のあちこちにたまっていき、むくみやさまざまな不調を引き起こす原因になります」(永井先生・以下同)
なぜ、リンパは詰まるのだろう。
「血液を動かすポンプが心臓なら、リンパの動力源は筋肉です。特に首、胸、おなか、太もも裏にある4つの“うるおわせ筋”が重要です。ですが、座る時間の長い人は太もも裏の筋肉が押しつぶされ、スマホをのぞき込む動作で首の筋肉が“枯れていく”など、9割の人のうるおわせ筋はカラカラに乾いて機能していません。リンパは動力源が弱いために詰まるのです」
リンパを流したいなら、リンパマッサージが有効なのでは?
「深部リンパ渋滞を起こしている人は、リンパの出口も詰まっている人が多い。せっかくマッサージでリンパを動かしても排出されにくく根本的な解決にはなりません」
不調を根本から絶つには?
「深部リンパ渋滞を解消しなければなりません。そのために行うのが“うるおいツボ揺らし”です。うるおいツボに刺激が入ると、脳から『リンパの詰まりを解消せよ』という指令が出てリンパが流れだし、うるおわせ筋が復活。リンパの流れが正常になり、さまざまな不調が改善に向かいます」
基本のうるおいツボ揺らしの方法は次のとおり。
■“全身うるおいツボ”を刺激する
全身の痛みやこり、むくみ、疲労に効く運動。へそから指5本分下のところが全身の「うるおいツボ」なので、ツボを刺激するところから始めよう。
【1】へそから指5本分下の場所に指を当て、少し抵抗感のある深さまでしっかりと押し込む。
【2】そのまま20回、手を上下させて揺らす。「ホッ」と息を吐きながら行うとよい。
「リラックスが重要です。『ホッホッホッ』の呼吸でやってみてください」
■“うるおわせ筋”ストレッチ
【1】あおむけになり、膝を立てる。手のひらを天井に向けてひじを曲げ、肩の高さあたりに移動させる。
【2】両膝を左に倒し、顔は右向きへ。このときも呼吸を忘れずに。同じ動きを逆向きに行う。左右の動きを20回繰り返し、体がねじれたときに筋肉の伸びや揺れを感じよう。
うるおいツボを正しく押せているかどうかが、不安だ。
「チェックする方法があります。全身うるおいツボ揺らしは、立ったまま体を前に倒す立位体前屈を、運動の前と後で行ってください。後のほうが楽に深く曲げられたら、効いている証拠です」
どんな効果が期待できるのか。
「全身のうるおいツボ揺らしは、すべてのうるおわせ筋の詰まりを解消し、痛みやこりが改善します。代謝が上がり全身のむくみもとれて、痩せやすい体になりますよ」
うるおいツボ揺らしで、うるおいのある体を取り戻そう。