「あれ、もしかして私の口、くさい(泣)?」マスクをするようになって、そう思う人が増えているようだ。口臭と言っても、原因はさまざま。まずは生活習慣から見直そうーー!
「『口臭=くさい=嫌なもの』というイメージがありますが、実は口臭はその人の健康状態のバロメーターです。私は口臭でその人の体調や体質から、なりやすい疾患や症状、さらに言えば、その人の性格やどんな人生を歩むかまでわかります」
こう話すのは、14年間で、4,000人の口臭を嗅ぎ分けた実績を持つ口臭治療を専門としている中城歯科医院院長の中城基雄先生だ。
「口臭は、食べ物が私たちの体内に入って分解される段階で発することもありますが、これは一時的な臭いであって、多くは私たちの口内環境と体質から生じるものです。そうした口臭は私たちの体質や体調による部分が多くあります」(中城先生・以下同)
今回、中城先生に生活習慣からくる口臭クイズを作成してもらったので、自分の口臭のチェックにも役立ててほしい。
【Q1】口臭が出ているのは体のどこから?
(1)のど
(2)胃
(3)肺
正解は(3)。ふだんの口臭は、血流内に溶け込んだ物質が肺でガス交換をするときに肺から出る臭い。ハーッと息を吐いたときに出てくる臭いは、腸内臭が肺を通って、ガス交換をする際の肺の臭い。ちなみにゲップは胃の臭いだが、これは別の経路で出ている。
【Q2】朝の歯磨きはいつしないと、口臭がキツくなる?
(1)朝食前
(2)朝食後
(3)出かける前
正解は(1)。歯に付着する歯垢1グラムあたりに100億〜1,000億個のバイ菌が存在する。ウンチ1グラムあたりは100万個程度なので、バイ菌の数だけで比較すると朝起きたての口の中はウンチよりも1,000倍以上汚ないバイ菌のすみかだ。その口内のままでの食事は衛生的に×。
【Q3】使い捨ての不織布マスク、口臭の観点から考えると着用後何時間で交換すべき?
(1)5〜6時間
(2)12時間
(3)24時間
正解は(1)。使い捨て不織布マスクは、製造過程で殺菌処理をする際、酢酸を染み込ませる。この薬品臭は数時間使うと消える一方、5時間以上の継続使用では、マスクに唾液、口内細菌、食事の匂いなどが染み込み、呼吸をする際の水蒸気で蒸れ、生ぐさい臭いが発生。
これまで、自分の口臭は意外に自分では気づかないものだったが、最近はマスクを長時間着用することで、自分の口臭に気づく人が増えているそう。
「最近、自分の口臭が気になるという人からの相談も増えています。確実に臭いが気になる場合は、病院での診断が必要な場合も」(中城先生)